蓮は泥中より発す

心身一如に生きるヨーガ教師の日記

№493 寂しさ、一瞬の美

きれいごとばかりのみちへたどりつくわたしでいいと思ってしまう 笹井宏之 おなじ千家流で茶を学ぶ弟分がいる。 茶の禅的な側面を大事にする思いが似通っていて、ウマが合う。裏さんと表流ではこまかいことが違うけれど、兄弟関係にある流儀なので大筋は一緒…

№492 できることだけ

陽だまりにとめどない黄よ落葉はまた逢うための空白に降る 江戸 雪 Google先生が「四年前は茶会だったな」と教えてくれた。 これってなんだか、漱石の「夢十夜」みたいだと思いませんか。 「文化五年辰年だろう」 そういえば100年前にこの杉の根のところで……

№491 心が肉体から離れて

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">てのひらにてのひらをおくほつほつとちいさなほのおともれば眠る 東直子 これまで、人生の大半を乖離傾向で生きてきたことに最近気づいた。遅い。 教えてくれた人がいるのだ、そのことを。 私は根本…

№490 ぼんやり生きてる

掘り下げてゆけばあなたは水脈で私の庭へ繋がっていた 笹井宏之 試験で帰宅の早いFJK剣士(高校1年女子のことをこう表現するそうである 。) 映画が大好きな彼女は、なぜかハリポタ熱が再燃中。「原作を読み返す」というのでAmazonで中古全巻セットを購入、…

№489 すわる、ということ

体内にしたたる翠(みどり)暴れる日抱きとめられねば胸から跳ねる 陣崎草子 JK剣士は中間試験のため稽古がおやすみ。今は、生きることの次に剣道に専心しているので、試験とはすなわち休憩である。毎日昼に帰宅し、賑やかしい。 今日は世界史の試験だという…

№488 からだの底

美しき胸鎖乳突筋をもて人はいくどか振り返りたり 永田紅 初めての月命日。真っ白は寂しいから、少し色味を加えてもらったお花。 今日は亡きお兄ちゃんの月命日。一か月が経ったのか。 JK剣士の入門当初からお世話になっている先輩ママ、Fさんはお花屋さん…

№487 自前のコルセット

君は君のうつくしい胸にしまわれた機械で駆動する観覧車 堂園昌彦 女性にとって体型というのは重大な意味を持つもののようで、皆さん何かしら気にしておられるようだ。私はどうなのかと言うと、毎日朝晩、鏡で確認している。一瞬一瞬の理知鞘の働きと意思鞘…

№486 死んだらダメ

なきひとはひかりをとほしゐたりけりこのわたくしはひかりをかへす 小池純代 数日前から今ひとつ元気が出ない。こういうときは、さらに気分が沈むようなことごとが耳に飛び込んでくる。 今日は暗い話を書こうと思っている。元気を出したい人は、読むのをやめ…

№485 愛し、愛されたい

このひとに触れずに死んでよいものか思案をしつつ撒いている水 陣崎草子 クライエントさんが面白い話をお聞かせ下さった。 SMの女王様とお酒を飲まれたとのことで、森に棲む小動物のように平々凡々な毎日を送っている私には知り得ない秘密の世界の話。 マゾ…

№484 生きることの喜びを

風を浴びきりきり舞いの曼殊沙華 抱きたさはときに逢いたさを超ゆ 吉川宏志 昨日は、長女と二人、最寄りの書店併設のカフェで、おいしくはないコーヒーを飲みつつ読書。気分転換に書店内を散策(ハンティング)したところ、「女性の健康」の棚に興味深い本が…

№483 ほんとのところ

生えぎわを爪弾きおれば君という楽器に満ちてくる力あり 俵万智 11日ぶりに自宅で迎える朝。夜半、足元に生きものの気配があった。一匹だったのか、二匹ともだったのか(我が家には猫がいる)。娘がiPhoneで設定している目覚ましが鳴り、手を伸ばしてくる。J…

№482 素敵な年上の人と

人はみな馴れぬ齢を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天 永田紅 無事帰宅。玄関の花と、デッキの鉢植えが渇きに苦しんでいる。 なぜ君たちは(流儀花を学んでいながら)この苦しみを見て見ぬふりができるのか、教えておくれ。 若い頃から飄々としてものに構…

№481 リアルなハグをしたい

簡潔に君が足りぬと思う夜 愛とか時間とかではなくて 俵万智 本日帰宅する。いったい何日経った? 私は旅行準備が嫌いである。「出かける」という行動準備のための思考(何がどれだけ必要?気候は?会う方は?何を着る?……)を減らしたくて、一度出かけたら…

№480 応えてくれるから

「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい 笹井宏之 昨晩は、神戸・二宮の定宿兼鉄板焼き屋で夕食。ちょっとやけ酒。 ジュンク堂で入手した笹井宏之の歌集を読みながらビールを飲んでいたら、常連のオバちゃんが「何読んどるの」と訊ねて…

№479 全存在として

水蜜桃(すいみつ)の汁吸うように愛されて前世も我は女と思う 俵万智 名古屋市金山に滞在中。1999年、ここに名古屋ボストン美術館ができたときに来て以来。美術館は2018年に閉館したとのこと。 昨夜は空気が冷えていたのか、濃尾平野の夜景が潤んで見えてと…

№478 新しい二の腕

逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ 愛に友達はいない 雪舟えま 先日インテグラル仲間との会食を行った際、初めてお目にかかる女性がおられた。話の流れで仲間のひとりが私の前職を明かしたところ、なぜか私の二の腕の話になった。ちなみにその時、…

№477 秘密の場所

「また電話しろよ」「待ってろ」いつもいつも命令形で愛を言う君 俵万智 出張8日目。これから名古屋に移動し、不測の事態で前回のセッションをキャンセルさせて頂いたクライエント様と、久々にお目にかかる。故人と同じ病と共に生きる彼女は、この度のことを…

№476 大事にされることの大事さ

焼き肉とグラタンが好きという少女よ私はあなたのおとうさんが好き 俵万智 昨日は田端での打ち合わせ。約一カ月ぶりにO先生とお会いした。先月、名古屋でご一緒して以来で、きちんとご挨拶もしないまま慌ただしく上京したので、田端駅でハグして再会を喜んだ…

№475 お免状なるもの

君の目に見られいるとき私はこまかき水の粒子に還る 安藤美保 故人宅に4日間滞在させて頂いたのち、都内某処へ移動した。池のほとりに佇むカモの姿を見ながらこれを書いている。 昨日長女から、流儀花の稽古をさせてくれてありがとう、というメッセージが届…

№474 からだがあるから

もし分離した自己感覚にたいして死のう(あるいは超えよう)と思うのなら、自己中心的、利己的な行為に対して死ぬ必要があります。自分という思いや、称賛されることを考えずに、他者に奉仕しなければなりません。ただ愛し、奉仕する。「愛に傷つくまで愛し…

№473 働きを捧げる

さみしくてあたたかかりきこの世にて会い得しことをしあわせと思ふ 河野裕子 私たちは、誰に対する仕事をしているのだろうか。 今これを書きながら、ある方のことを思い浮かべている。 ヨーガの道に進ませたのが何の力だったのかわからないが、そこに間違い…

№472 出会うこと、恩寵

あなたは必ず愛と共にあれ 死なぬよう 愛の裡に死して 愛の裡に生き続けよ ジェラルッディン・ルーミー 中目黒に滞在中である。お兄ちゃん宅。奥さんと話し、食事を共にし、隣で眠る。ほんの数日であっても、そうしたいから。 逝去した人と初めて出会ったの…

№471 五蔵と感情

星の死を知らずに生きていくように君の不在が日常となる 谷川電話 昨日、肺と悲しみについて書いたので、今日は五臓と感情についてお話しておこうと思う。 五臓とは、西洋医学でいうところの内臓の概念とは異なる、人が生きるのに必要な働きを五つに分類した…

№470 悲しさと肺

雪まみれの頭をふってきみはもう絶対泣かない機械となりぬ 飯田有子 先週から、蕁麻疹が出たり、皮膚にできた小さな傷が治らず化膿しかかったりして困っている。「そのケガ、どうしたの?」と見咎めて気にかけて下さる方もあった。 子供じゃあるまいしよう……

№469 思うこと、動くこと

全存在として抱かれいたるあかときのわれを天上の花と思わむ 道浦母都子 不在時に娘が二十歳の誕生日を迎え、彼女のアルバイト先のマスターお二方が大変なお心づくしをして下さった。親もその場にいるに越したことはないのかもしれないが、親に祝ってもらう…

№468 愛の説教部屋?

川の瀬に立つ一つ岩乗り超ゆと 水たのしげに乗り越えやまぬ 窪田空穂長女が誕生日にたくさんのお花を頂き、家の中に花が咲き誇っている。実に贅沢。 花は毎日手入れをしなくてはいけないのにそれができるのか、流儀花(いけばな。ちなみに小原流。)の稽古が…

№467 なにもできない

美しき誤算のひとつわれのみが昂りて逢い重ねしことも 岸上大作 次女の遠征の送迎に、入部以来4年目にして初めて行かせてもらった。倉敷にほど近い県立玉島高校。強豪校だという(母は何も知らない)。遠征や試合がようやく解禁になりつつある。来週は新人戦…

№466 約束を違えず

故人のために「何か」したいと思う数名がいて、何かの方向性がいくつかの方向を向き、その一つに向かって私も歩を進めている。 大きく「芸」という枠でつながっている仲間(というか大先輩)に胸を借りて、演奏をすることに決めた。やると決めただけでほかは…

№465 限りある私として

いつか手が触れると信じつつ いつも眼が捉えたる光源のあり 萩原慎一郎 和歌が好きである。主に近現代のもの。 20代の頃に初めて手にした、俵万智編「あなたと読む恋の歌百首」がそもそもの始まりだったように思う。上皇后美智子さまの日本語に対する感性は…

№464 痛いほど愛する

君がもうそこにはいないことだけを確かに告げて絵葉書が届く 松村正直 亡くなった人の訃報を聞いて連絡をしてくれるひとがいる。こちらから連絡を差し上げることも始めており、波紋が広がりつつある。本人ですら予感しなかったあまりに急な逝去であったこと…