蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№319 粘膜を清浄に

コロナウィルスの感染を防ぐための方策として、あくまで一医師の見解ではあるが、多くの患者が手から顔のルートで感染していること、手の洗浄の重要性が伝わる動画がFacebook上でシェアされていた。
https://www.facebook.com/kyoya.kimura/videos/3007883442611489/

 

手で顔に触れる、という行為についてここ数日意識化していたのだが、その頻度はかなり多い。鼻が痒くなる、目元や口元を意味もなく触る、ということを無意識に、そして頻繁に行っている。

ヨーガとは兄弟関係にあるインド伝承医学アーユルヴェーダでは、粘膜の浄化を重視しているのだが、この状況下で、普段から行ってきた日々の実践の価値が再認識されるように感じている。

世界最古の医学と言われるアーユルヴェーダでは、実に多くの浄化法が伝わっているわけだが、外の世界から自分のもとへやって来るもの(その多くは避けがたい)を如何に受け止めるか、そして受け取ってしまったものを如何に外へ出すか、ということについて、物質面からも目に見えない面からも考え抜いていると思う。

細かいことは今語っても仕様がないので、ここでは毎日やりたい浄化法等について紹介しておこう。

人の体は、不要なものや有害なもの(アーマという。毒素と言われることもあるが、本当は少し違う)を体外に排出する機能がある。アーユルヴェーダの実践法は、心身の基本的な機能を高めるためにある。

アーユルヴェーダの実践法の多くは西洋医学的な裏付けがまだ得られていないものも多くあるが、その理論の基礎をなす「トリ・ドーシャ理論」は、2015年にNATUREに掲載された論文では、遺伝子検査と照らし合わせた結果それなりに整合性があることも解ってきており、西洋的なエビデンスと合わせて現在でもアップデートがなされていることを紹介しておきたい(http://bioclub.org/news/ayurveda_reprot01に詳しい。)

【朝】

特に朝は重要。睡眠中に、脳でも肉体でも大掃除のような作用が起き、不要なものを体外に出すために準備してくれる。捨てねばならないものを、うっかり飲み込んだりしないようにしたい。

・目覚めたらまずうがいをし、舌の掃除を行うこと。
 タン・スクレイパーという専用の器具があり、アマゾン等で購入することができる。
素材は銀製がベストと言われているが、カレースプーンで代用しても良い。
ちなみに、歯ブラシで舌をこすっては絶対にダメ! 排出されるために浮き上がってきたもの(アーマ)が再度組織内に押し込まれてしまう。

 

 

・舌掃除の後、口をよくすすぐ。この行為を終える前に、何かを飲んではいけない!
水分摂取は口内を清浄にしてからである。オイルや蜂蜜を用いたうがい(ガンドゥ―シャ)を行うと更に良い。

 

・コップ一杯の白湯を飲む
温度はお好みで(体質によって違うので、自分のからだの声を聴いて決める)。
定量の白湯を飲んで、消化管を掃除するイメージ。
余談だが、空腹時に消化管から腸に掛けて食物の残滓や菌を排出させるための動きが生じるそうである。空腹時にしかこの働きは起きないので、この点からも間欠断食や食間を十分に開ける(間食をしない)ことは重要だ。知人がシェアしていたが、肥満だと感染リスクが上がるというのは、こういうことも関連しているのではないかと考えている。

 

・鼻の洗浄 =ネティ・クリヤ
鼻の穴から塩水を入れる浄化法。鼻の穴から隣の鼻の穴へ、という方法と、鼻の穴から喉へ、という二つの方法がある。生徒さんに勧めても実践する人が増えないが、一度はまる二度とやらずに生きられないくらいインパクトがある。鼻の奥に溜まった粘膜を塩水で洗い流すので、喉が大変スッキリする。粘膜が荒れている時には中止すること。
 

 

・朝のきれいな空気で深呼吸
肺の中の空気を浄化しよう。外気が心配な方は空気清浄機の前で。

 

・非加熱の蜂蜜で目の洗浄
過激に聞こえるかもしれないが害はない(アーユルヴェーダの目薬には、蜂蜜が成分として入っているものがある)。清潔な綿棒でちょんちょんと瞼の裏につけると、自然に涙が流れてくる(注:とても沁みます)。自力で涙を分泌させる「涙力」を高めることで、浄化力を上げておこう。これは夜(入浴時や洗顔後)にも行って欲しい。

 

・鼻の穴の保湿
太白胡麻油のような匂いのない油を、鼻の穴に塗る。保湿効果を高めて、粘膜の健康度を保つことができる。余談だが、鼻の穴に指を突っ込む行為で人は心が落ち着くそうだ。清潔な指に油を塗って(人に見られないところで)鼻に突っ込んで優しくマッサージしてみよう。心身両面に役立つはず。

 

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  • メディア: 食品&飲料
 

 

 

【1日を通して】
・痰や鼻水などは、すぐにティッシュにとって捨てる。

  何気なく飲んだりしている方、今すぐやめて! 粘膜に絡め取られた何かが、胃酸で死ぬのかどうかはわからない。死なないからコロナが蔓延しているのではないでだろうか。

 

 ・水分摂取に気を配り、粘膜の潤いを保つ
脱水状態の粘膜は健全に働けない。風邪を引いた時、まず鼻のなかや喉が乾燥する感じがわかる方もいると思う。粘膜が荒れて、そこに菌が付着して感染するのだとすると、潤いのある粘膜ならば絡め取って(痰や鼻水として)体外に出してくれる。

 

【帰宅後】

 ・夕食前に入浴する
外から持ってきたものを洗い流す。髪の毛にはいろんなものが付着している。
消化力も上げることができる(湯船に浸かること)。

 

【夜】 

 ・よく眠る
睡眠の重要性は言い尽くせない。眠れない方はリラクゼーションなどを試して欲しい。ヨーガでも、指導法によっては不眠が改善される。どうしても困っている方は個人的にご相談を。

 

思いつくものを取り急ぎ書いてみた。できることからやってみて欲しい。
心身に関しては自らの生き方が砦となる。インテグラル理論の四象限でいうところの「右上」からの健康に対するアプローチの重要性について、この機に真剣に考えて欲しい。