蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№660 JK剣士、帰国

帰りきてまづ手を洗ふならはしのこころやさしいけものとおもふ  永井陽子

 

 

 

5月13日
愛するオタクは新潟県燕三条市に到着。昨日午後、はるか遠くに立山連峰を望む景色を見て猛烈に感動したらしく「富山サイコーっす」「なにがなんでも秋田に行かねばなりません」と力強い言葉。あっぱれ!オタク。秋田を目指し、痛いおしりに耐えてがんばれ!

 

 

さて、全国?の皆様。大変長らくお待たせ致しました!
ここ最近登場するのは愛するオタクばかり。いったいあの子はどこへ行ってしまったの、とご心配になっておられた方がまさかとは思いますがもしかしておられたかもしれません。しかしご安心ください。本日早朝4時40分、ANA・NH0105便で無事羽田空港へ帰還致しました。おかえりJK剣士!


最近の羽田空港の入国審査(PCR検査含む)は1時間ちょっととのことだったので、始発の山手線に乗り込んで一路羽田を目指すハハ。到着予定時刻は当初5時だったのに、だんだん早くなっとるやん!「ごめんよ、5時40分には第3ターミナルに着くから」とLINE
でイイワケをしつつ、焦る。なんといっても未成年のひとり旅。ようやく帰ってきましたぁぁ!と思って到着ゲートから出てきたら誰もおらんやないの、という事態だけは何としても避けたい。ターミナルに到着してスマホをチェックすると「今、検査結果待ち」とのこと。やれやれ間に合った。

本日いちばん早い到着便だったので、出てくる人はみんなたぶん同じ便に乗っていた人のはず。ところがなかなかJK剣士は出てこない。2時間弱待ったところでようやく現れて感動の再会、熱いハグ(いつものこと)。オオタニを見に行ったときに買ったという赤いキャップを被っていた。AM2時出発だったので機内でよく眠れたよと元気そうな顔、搭乗していたのは20人ほどだったという。早速、到着ロビーのソファに腰かけて、写真を見せてもらいながら話を聴く。オオタニを見に行ったとき、「お約束」で赤いアフロのズラを被っていたとのことで、マスターマリコと並んでの真っ赤なズラ・ショットが素晴らしくイケていた。

ひとりだけなかなか出てこれなかった理由は、入国審査の際に「アメリカで学校に行っているのか?」と訊かれ、「いや、日本の学校です」と答えたら如何にもアヤシイと思われたらしく、スーツケースを開けられ、ヘロイン等々の麻薬(注・見本)を見せられ「こういうの預かってないですか?ほんとですか?だいじょうぶですか?」と何度も問い質されたからだという。

そういえば米への入国の際にも、約二カ月滞在の予定について「え?長すぎない?16歳でしょ?(in English)」と怪訝な顔をされたという。ハハがいちばんウケたのは「このマリコとお母さんはどういう関係なの?」と訊かれたというネタ。「え…?」と焦ったJK剣士を、日本語のできる職員が「昔からの友達って言え」と助けてくれたという。ここで「ハハはマスターマリコに靈氣を伝授してもらって」とか言い出したら更にアヤしくて強制送還になったりしたのだろうか?まあでも昔からの知り合いなのは間違いないですから、ぜんぜん嘘じゃないです。


出発前、JK剣士のスーツケースにはマスターマリコに頼まれたものが入っていた。強力ワカモトとタロットカード、どちらも大量でかなりの重量である。米子で、マスターの会社のスタッフさんからこれを預かったJK剣士は「これヤバくね?」とビビっていた。強力ワカモトってなんなん?母もわかんなかった。ビオフェルミンの親戚だろうか? 

米入国の際に「これなに」と訊かれたらどうしよう…と焦っていたが無事にそれを希望していた方の手に届けられたという。マスターのお知り合いで、日本食のスーパーマーケットを立ち上げた年配の女性(すごい人らしい)が「これを飲んで私は頑張ってきたのよ!ありがとう!」と、お礼にお寿司をくださったそうだ。キャタピラロールじゃない、本物の握りだったんだよ、きっとすごく高いんだよということだった。ビクビクしながら密輸気分を味わえて、いい経験になったよね。


今日は朝から一緒に過ごしていろんな話を聴いた。ちょっとここに書けない重いハナシもあるが、これはアメリカでの体験のことではなく、これからどうしようかと真剣に考えているJK剣士の心のなかのこと。
「16歳で海外に」って思っちゃいたけど叶うとは思わんかったなあ、とハハが言うと「それな!」と答えるJK剣士。二人で笑った。


丸6週間マスターマリコの傍で薫陶を受け、視野と世界を拡げて帰ってきた。ハハはなによりやっぱりマスターマリコがすごいと思う。この世に「ひと」をただの「ひと」として見つめて向き合えるひとってそんなにいないんだよ、ほんとに。肩書とか職業とか、立場とか資産とか、絶対者ブラフマンの前では引っぺがされてしまうものを色メガネとして透かして誰かを見る人がたくさんいる。

でもマスターはそうじゃない。JK剣士は「ひと」として向き合ってもらって帰ってきた。あの場所でJK剣士は「ハハのこども」ですらなかった。彼女がお世話になってる間にも、ハハはマスターに何度か助けを求めたり教えを乞うたりしたが、そこでもJK剣士とハハとは別の存在、別の人格としてやりとりをしJK剣士ネタは一切出なかった。私もまたひとりの「ひと」としてマスターと向き合ってもらっている。

今はもうとにかく、マスターマリコへの感謝しかない。でもこれは「ひと」ではなくハハとして。マスター、本当にありがとうございました。


やや太って二重顎気味のJK剣士。毎日肉とアイスクリームを食べていたらしい。「だろうなあ~」という感じ。竹刀も2カ月振ってないしね。滞在中にはちゃんとLAの道場に問い合わせをしたんだって。世界選手権代表だった超有名選手が直々に返事をくれて、「今は堪えてくれ、いつかぜひ一緒に」というやり取りをしてもらったという。


秘密の交通手段で都内へ移動し、秘密の宿泊施設で2週間の待機期間に入る。
約二カ月の不在を終えて鳥取の、そして学校の空気を吸ったときなにを想うだろうか?すべて絶対者の思し召しどおりにしかならんので、考えても仕様がないよね。うん。