蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№655 愛と光

海という藍に揺らるる長大な椎骨のさき進化の星くず  井辻朱美

 

 

 

5月8日
昨夜、明日のレッスンに備えて準備をしようと思ったとき「は?」とも「え?」ともいえるご連絡がきた。思い返すにここのところそういうことに遭遇することがとんとなかったので、まずは心素が働き、引き続いて肉体のなかで情動が蠢く。

ちなみに急にレッスンが変更になるような場合は、クライアントと指導者の間に微細ななにかが生じていると思った方がいい。理由がどんなものであっても、だ。このことは療法士の先生なら頷かれるだろう。こういう事象に関することは、症例報告でも「注目すべきこと」として述べる。指導者はそういう点にも耳を澄ませていないとね。

今の自分の状態ではネガティブなことを考えるのはマズいとマスターマリコからご注意を受けているので、肉体(およびそれに付随する器官)で蠢く情動の徴から意識を逸らさずに観察(いわゆる意識化)をしながら、B・ブレナンさんの書籍を読んで以来お気に入りの「愛と光」というワードを努めて思い浮かべる。

日本には言霊という言葉があるように、言葉にはそれぞれ固有の振動がある(ひとりひとりの人間もそうであるように)。おもしろいことにこの二つの言葉(愛と光)を思い浮かべると自分のなかでなにやらが動くのがありありとわかる。マントラでもいいんだけどこっちの方が実にシンプルで、ツカえる。

心身を意識化しつつ、愛と光!と思い浮かべつつ、でもやっぱり睡眠はおかしなことに。しかもなぜだか23:30に宿から着信がありすぐに切れた。いったいなんだったんだろう? こういうときは、無理に寝ようとはしないが本を読んだりもしない。要するに目は開けない。だいたい音楽を聴いて横になったままでいるが、沈む気持ちのときは沈んだ音楽が心地よい。私は言葉を重視するので「暗い歌詞の音楽」ということになる。古内東子×KREVAの「スロウビート」をチョイス。いい歌、しかし救いがない。聴けばいつもなぜだ、なぜなんだ?!という気持ちにさせられる。気になる人はYouTubeで検索してください。

 

さて、それでも一晩眠れないなどと言うことにはならない。基本的に健やかだから。起きてみると心持ちは変化していて「こういうことが起こるということは、絶対者ブラフマンが誰かのなかのアートマンを通じて、私になにかを気付かせようとしているから瞑想を施さないとな」というところに落ち着いた。

 

瞑想をするというのも、Yogaをするというのと同じでただ座ればいいんじゃないんだよ!といつも思っているが、ラージャ・ヨーガでは「自らに対して瞑想を施す」という表現をよくする。小さなわたしの五蔵に内蔵されている智慧なんて役に立たないガラクタばかりなので、五蔵(内臓じゃないよ)の働きを極限まで鎮め、絶対者の智慧に繋がって「あー!やっぱりそういうことだったわけ?!」という気付きを得ないことにはどうにもならない。この「あー!そういうこと?!」という気付きを得るために、日々の「え?」とか「は?」と五蔵が軽々しく反応してしまう事象が頻発するのである。

お前たちみたいなアホは修行でもしなければ、いや修行したとしても実に救いがたい、って慧心師がいつも仰るけどまったくもってそのとおり。ヤレヤレトホホ。今朝Asana,Pranayamaのあとに行った瞑想でどんな気付きが得られたかっていうと…まだ靄のなかである。救いがたいアホは、せめて長生きでもしなければどうにもならん。せめて健康にだけは気をつけよう。そして愛と光を大事にしよう。うん。

 

 

さて、半藤一利さんの「B面昭和史」をつらつら読み進めている。たぶん昨年のこの時期(自粛一色)「A面昭和史」を読んだので、裏面も読んでおこうということで。今読んでいるのは昭和14年、我が親が生まれた頃である。だんだんと不穏な空気あふれ、思ったこと言ったら死ぬ目に遭わされる時代がやってきた。陸軍はやりたい放題である。近衛首相の腰抜けぶりに地団駄を踏みそうになる。

夏休み早朝のラジオ体操(情熱は持てないただの苦行)が始まったのはなんとこの時期だという。名称からして怖ろしい国民精神総動員委員会なるものが生活刷新案を決定し、広く一般に通告したあおりを受け文科省の指令により「国民心身鍛錬運動」なるものが生まれた。元がこんなところにあってずっと続けられてきたなんて、正気とは思えん。ラジオ体操嫌いだったけどこれを知ってもっと嫌いになった。そんなのやめてしまえぇ!


9月1日「興亜記念日」、酒類の販売中止、ネオンサインの消灯。ん?どこかで聞いたような? 「やることなすことうまくいかない政府が」、「こういうとき権力をもつもののやることはいつの時代であっても同じこと」という半藤さんのお言葉が気味悪く聴こえてくる。昔のはなしと切り捨てず、ここから何かしらを感じ取って冷静さを保ちたい。これも絶対者からの「ちゃんと瞑想を施して、自分のあたまで考えろよ」というサインであろうと思う。感謝。

 

 


こういうのなんていうんだろう今まで味わったことのない感情
君が言ってた夢が叶うといいね 見えない荷物もなくなったらいいね
一緒に笑った何時間かがいつか小さな宝物になる
きみの心はまるで自分のみたいに逢って話すほど透き通るようにわかったの
きみを愛しく思えるのは偶然じゃなくてきっとそのせいだよ
古内東子×KREVA「スロウビート」より)