蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№654 養生と愛

靴ひもをほどけば星がこぼれだすどれほどあるきつづけたあなた  佐藤弓生

 

 

5月7日
ecute品川の書店が開いているようなので、先月気にかかっていた本を入手しに出かけた。ついでに食材の買い物。久々に聖地大崎のスタバを横目に見ながら、(五反田と比較して)普通に大きい成城石井へ向かい、豆やキノコのお総菜などを買う。部屋には一応キッチンがあるが、調理器具は鍋とおたま、食器はプレートしかない。いったい皆様どんなお食事をつくられるのであろうか? なので私は豆腐とアボカドに紫蘇を切って添えて、持参の味噌で食べるくらいが関の山である。味噌持ってきてほんとうによかった… まあ普段から大したものは食べていないので(いも、まめ、こめ…)あまり困らない。

 

ここのところ朝のしっかりしたAsana(体操)を再開している。Asanaをしないとなにがいちばん困るかというと、首と股関節の可動域が狭まっていく。もちろん姿勢に注意をして過ごす実践(実験)を行っている間も、ときどきはしっかりしたAsanaを行って体がしなやかに動くかどうかをチェックしていたが、やっぱり足りない。首の後ろにグリグリができるので必死にセルフマッサージでほぐして、ほぐしたりないと顔が腫れたりしていた。先にそういうことに気付いていればよかったのだが、関連に気付いていなかったのだ(関連しているだけで、原因ではないと思われる)。

ヨーガ療法教室で教えると資格剝奪されちゃうアレ×3に加えて、もうちょっと過激なアレとかアレをやると、もうさっぱりして首のグリグリなんてできないのだった。これらのポーズは、ラージャ・ヨーガの体操として健康な方が自己責任でやるなら一緒にどうぞといってO先生と一緒にやったりしたことはある。

気になる方があるだろうからアレに関して書いておくと、アレ×3とはサルヴァンガーサナ(肩立ち)、ハラ―サナ(鋤)、マツイアーサナ(魚)。過激なアレとはシルシャーサナ(頭立ち)、ウルドゥヴァダヌラーサナ(いわゆる例のブリッジ)。あー、名称書いてるだけでサッパリするっていうか。

 

いやしかし、Asana、いやYoga はホントにすごい。ここのところなぜだかわからないが靈氣力(というようなものがあるとして)が上がっているというか強まっている気がするので、ポーズの最中に感じる体感も変化している。眉間に穴が開いて風がスウスウ通り抜けて頭の真ん中あたりのあるところがグルグルする気がする(あくまで主観です)。

ゆっくり時間をかけてAsanaを行うと最後に猛烈に瞑想がしたくなっていて、我慢できないからしばらく瞑想する。これがまた実に気持ちいい。気持ちよくなるためにYogaをやったらダメだろうけれど、ほんとに気持ちいいからどうしようもない。間違いなく靈氣を伝授して頂いたことは、私のYogaを変えてくれた。まあ根っこでは同じだから。靈氣とはすなわちPranaのこと。

ラージャ・ヨーガの八支則のうちおススメ事項を示すNiyama(ニヤマ)の3つめは Tapas(タパス)で、苦行とか自制と訳されることが多いが、Tapasには情熱という意味もある。苦行のように思って始めたものが、いつのまにか至福の情熱になっているってすごいなと思う。だからみんなやめずに続けて、誰かに伝えてきて今があるんだろう。ずっと昔の誰かがめんどくさがって人に伝えることをしなかったら、私のところまでYogaも靈氣も回ってこなかったかもしれない。だから歴代の師匠方に深く感謝したい。今年もまたそんな感謝祭(グルプージャ)の季節が近付いてきた。


さて一昨日は冷えたビールを飲み過ぎたので、朝の体操時に喉に違和感があった。後屈時に首を後ろに向けると喉がイガイガして咳が出る。冷たいものを立て続けに飲んだからだろう。ちなみに私は缶ビールをぬるくして飲むクセがある。買ってきたら冷蔵庫に入れず部屋に放置してから飲む。アーユルヴェーダ実践者だから、一応なんとなくキンキンに冷えたビールには抵抗したい。じゃあ飲むなよ!という意見は現時点では断固却下します。

今朝は遅い時間に夕食を摂ってしまったので、朝の体操時に胃が重く感じた。
という感じで、朝の実習は昨日から続いているのであろう私の生命の器の変化をそれとなく教えてくれる(もしかすると夜のうちに全とっかえになって意識だけが残っているのかもしれないが)。その感覚に従ってその日の過ごし方や食事内容や、頻度を変える。これが養生ということで養生は一日にしてならずだし、養生を超える医療があるとしたら愛だけだと思う。養生と愛の大事さがもっと普及すれば、しあわせな人がもっと増えるはず。


昨日今日とクライアントさんお二人が風邪気味でらした。喉がおかしくて微熱がおありになる紳士と、頭が痛い愛するオタクである。それぞれ情報収集を行うと、紳士は飲み過ぎ、オタクは食べすぎであることが判明した。それぞれに養生のアドバイスをさせて頂いた。愛を込めて。

紳士はさすが紳士だけあってキッチリマジメにやって下さる。オタクはオタクであるがゆえに私の言うことなどはほとんど聞いてくれない。今日は絶食しろとそれとなく伝えたつもりだったが「素うどん食べます」ときた。この期に及んでまだ食うか!しかも小麦粉製品か!とのた打ち回るほど悔しかったが、押さえつけて止めたとしてもはね飛ばされるだけである。豊満なオタクだから。

うどんにせめて食物繊維を…と思って「とろろ昆布いれて」と懇願したら「そんなオサレな食材、うちにはありませんね」と言われ、更に「仕事もないなら黙って寝とけ」と言っているのに「じゃあとろろ昆布買いに行ってきます」という。ああ、絶対者ブラフマン、私は無力です。先生として未熟です。愛するオタクひとりダイエットさせられません。


紳士は軽快なさったようだから、よかった。そして世のために人のためにお仕事なさっておられる。オタクと私は生きているだけで(今のところは)許される感じで、何もしないでいいことを寿いで毎日ブラブラしている。なにもしない努力って大事だと聞いていたが、ほんとだった。感激している。クセになって二度と社会復帰できなかったらどうしよう。ま、それでもいいか。