蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№363 ほんとうはなにを

「一瞬たりとも行為をしないでいられる者はいない。すべての人間は根本自性(プラクリティ)から生ずる徳性(グナ)により、否応なく行為をさせられるからである。」
バガヴァッド・ギーターⅢ-5

 

 

この世にはありとあらゆる実践法がある。
例えばダイエット。

「減量や健康のために行う食事制限」
これが、ダイエットという言葉の意味。

ダイエットについて、気に掛けているひとはとても多い。
教室にもそういう方はたくさん来られるので、ダイエットのための個人レッスンを行うこともある。

しかし残念ながら、「その為に何でもやります!」という覚悟を持った人はほとんどいない。
それはなぜかと言うと、「痩せたい」という言葉が、実は別の望みを表現しているからだ。

 

単純に「痩せたい=体重を減らしたい」だけで、その思いに裏も表もありませんよ、という方の場合、シンプルに食事に関する工夫や、栄養について最低限知っておいて欲しいことをレクチャーすれば、淡々とそれを実行していってもらうことで体重は落ちていく。

難しいのは、「今のまま何も変えずに、体重だけ減らしたい」と思っておられる場合である。
行動が今のままなら、何年たってもすべて今のままである。
ただそれだけ。

こういう場合、真の望みは別のところにあるので、その点を掘り下げる作業をやっていくしかない。
よくよく聞いてみると、病気になるのではという恐怖や、自分に自信がないなどという思いが根底にある。

自分が本当に何を願っているのか、それすらもわからなくなっているのが現代人である。

そこで今日は、「あなたが本心では何を最も望んでいるのか」知るための方法をお教えしよう。

アラジンの魔法のランプも、猿の手も、願い事は三つと相場が決まっている。
では、あなたの三つの願いは何でしょうか?
ジーニーも言っているとおり「願いごとを増やして」というお願いは却下。

時間をかけていては心が迷子になるので、10秒の間に三つ挙げて下さい
10,9,8,7……1!

三つ、挙げられましたか?
それでは次に、その三つすべてが無事かなったときのあなたの「気持ち」はどのようなものか、考えて下さい。

それは「どんな気持ち」でしたか?
安心、のんびり、ワクワク、ハッピーなどなど…

あなたが本当に欲しいものは、それです。

その気持ちになるため、その気持ちで日々生きていくために、色々な手段がある。

でも手段も色々あるので、いったいどこに行こうとしているのかを自分が見失っては、手段の奴隷になってしまうだろう。

無理に頑張り過ぎて、ストレスホルモンを出し過ぎて、肉体も精神もクタクタになってしまう前に、
「えーっと、ほんとうは何のために頑張ってるんだったっけ?!」
と、時々我に返って欲しい。

考えないこと、これがコツ。
10秒のうちに慌てて出した言葉は、きっとあなたのハラの底の本心を表している。