蓮は泥中より発す

心身一如に生きるヨーガ教師の日記

№353 あなたのなかの物語に

「わが根本自性は、地、水、火、風、空の各元素、意思、理智、我執の(各内的心理器官の)八種に分かれている。」
 バガヴァッド・ギーターⅦ⁻4


自己免疫疾患と呼ばれる病気がある。

「ある人の免疫系がその人自身のからだを攻撃してしまい、器官に損傷を与えること」が共通しており、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎を始め、必ずしも自己免疫が原因とはみなされていない他の疾患--糖尿病、多発性硬化症、場合によってはアルツハイマー病まで―― も含まれている。

この様な体内の内戦状態はどうして起こるのだろう?

医学の教科書は自己免疫疾患について、100%生物学的な見方を採用しており、ほとんどの場合、遺伝的な素質が主たる原因とされている。

発病前の心理状態や、その心理状態が病気の経過と結果にどう影響するかを知ろうとする者はほとんどいない。症状が現れるたびに、そのひとつひとつの症状に対処するだけ。

 

他の多くの学問分野と違い、医学はアインシュタイン相対性理論――観察者の位置が観察されている現象に作用し、観察結果に影響を与えるという理論――から重要な教訓を学んでこなかった。

 

ストレス研究の先駆者ハンス・セリエは、その著書の中でこう述べている。
「多くの人々は、科学的探究の意図とそれから得られた成果が、いかに発見者の個人的な視点に左右されるものかを十分に認識していない。科学および科学者の影響力が非常に大きい時代にあっては、この基本的な点に特に注意を払うべきである。」

専門分野に集中すればするほど、特定の領域についての理解は深まるが、その部分を持つ人間そのものについての理解を軽視するようになる傾向がある。

ある症状や病気で治療を受ける際に、彼らの人生における個人的、主観的な問題を見つめなさいと専門家や医師から促されたことのある人は幸いだ。

何年も治療を続けているにもかかわらず、病気に関する限られた範囲のこと以外は、目の前の人の生活や経験について何も知らない医師や指導者が多いのは何故なのだろうか。

ストレスが健康に及ぼす影響について、特に私たち誰もが幼いころから引きずってきたものが及ぼす影響についてわたしたちは知っていかなければならない。
あまりにも深く埋め込まれ、とらえにくいために、本当の自分の一部のように感じている“何らかの心的パターン”に、改めて光を与えていかねばならない。

 

わたしたちみなに、ひとりひとりの物語がある
その物語には、それぞれにとってこの上なく重要な示唆が含まれており、そのことを知らずして人は治癒や成長を遂げることができない。

叡智はあなた自身の中にあるのだ。

重要な情報のすべてが実験によって、あるいは統計的な分析によって裏づけられるわけではない。病気のあらゆる側面が、二重盲検や精緻な科学的手法によって証明される事実に還元できるわけではない。

 

ひとりひとりの人の中に、治癒をもたらす力があると確信できるように、自分自身を導いていくことが大切だ。