「また我は大地に入り、我の力によって一切を支え、霊草ソーマの液汁(甘露)となってすべての植物を育てているのだ。」 バガヴァッド・ギーターⅩⅤ-13
昨日のデルタ波に引き続き、今日も脳波のお話。
4~8㎐:シータ波
これは夢を見ているときや、瞑想をしているときに現れる波形。
瞑想で30分以上座らなければ出ない、ということではないようだ。
2011年、チェルノブイリ原発事故の被ばく者団体「ゼムリャキ」で行われているヨーガ指導に加わるためウクライナに出向いた。
年に二回しか伺えないので、会えない間はDVDによる実習を行って頂き、半年おきにその効果を測る実験に協力して頂いた。
指導は無償で行われ、指導者の交通費は手弁当。滞在費はヨーガ療法学会が負担。宿泊はゼムリャキのみなさんのご自宅に、それぞれホームステイさせて頂き、帰国時に抱き合って別れを惜しんだことは良い思い出である。
さて、DVD実習は20分の体操(アイソメトリック・ブリージング・エクササイズ中心)と10分の瞑想で構成されていた。これは、過去を振り返る瞑想であったと記憶している。
じっと、無心に座っていた訳ではない。無心と簡単に言ってしまうが、そんなに簡単にその境地には至れないので。
実習は、できれば朝晩2回やってくださいと指示、やったかやらなかったかを記録してもらう。実にシンプルだ。
結果的に、毎日これを淡々とやって下さっていた方たちはシータ波まで出ていたのだった(効果は実習頻度に相関した)。
昼間にやった計測で、シータ波が出ていたのです。目は醒めているのに。
シータ波というのは、ヒーラーに共通してみられる脳波だそうで、人種や信念に関わりはないという。
また、6.4㎐で人間の軟骨細胞が再生、一般的な老化の原因とされる遊離基を中和する酸化防止剤の活動を促す。
5~10㎐で腰痛改善のデータがある。
このシータ波も、昨日紹介したデルタ波と同じく、人間が「治る」ということに深くかかわっているようだ。
では、瞑想をしたらそれだけで良さそうに思えるが、架け橋となるアルファ波の存在を忘れないでほしい。
単に、瞑想のために座ったり、ヨーガの体操をするだけでは楽になれませんよ、という訳はここにある。
アルファ波が出ていたら、あなたの気分は良くなっているはずだ。
実習後に心身が脱力して「気持ち良すぎて、もう起き上がりたくない…」という至福感を感じたことがある方は、この感覚がよくわかるだろう。
ヨーガなどの身体的実践がベースとしてあって、こういった(心身や健康に関する)知識が与えられた時に、実体験として肉体で理解できるというのはとても大事なことだ。
楽になりたいとき、まずあなたは自分の気分を良くする必要がある。
実習技法はそのための儀式になる。
あなたは、自分自身を癒すための儀式をもっているだろうか?
次回はアルファ波について詳しくお話したい。
*ウクライナでのヨーガ指導に関しては、一般社団法人ヨーガ療法学会発行「チェルノブイリ被ばく者事故被災者支援とヨーガ療法」を参照しました。私も寄稿しています。