蓮は泥中より発す

心身一如に生きるヨーガ教師の日記

№347 治癒が起こる脳波

「高次の自己で低次の自己を制圧した者にとっては、自己は友である。しかし、低次の自己を制圧していない者にとっては、自己は常に敵の如くに振る舞うのだ」
 バガヴァッド・ギーターⅥ-6

昨日から引き続いて、脳波について。
今日はデルタ波についてお話したい。

「眠れません」というお悩みを抱えた方は、教室にも時々おいでになる。
明確に眠れない自覚がある場合はまだしも、睡眠の質があまり良くない場合でも、そのことに気付いていなかったり、「こんなもんか」と思ってあきらめている人が多いように感じる。

ぐっすり眠れている感覚を持たない人が非常に多いということを、最近になって実感した。
毎晩ぐっすり眠れている人には、そのつらい気持ちはまったくわからない。

眠りの改善にヨーガはかなり役に立つようで、長年服用していた睡眠導入剤を手放す結果になることが多い。
ヨーガ実習に伴って起こる心身の変化は実に自然なため、まるで“気のせい”のように思っておられる方が多いが、脳波などについて知ってみると、そのからくりが理解されるように思う。

デルタ波(0~4㎐)は深い眠りの時に発生する。
この時、心身に癒しや治癒が生じるという。

ヒト成長ホルモンも、デルタ波発生中に分泌される。
睡眠中に、デルタ波・シータ波が主の波形になると脳内のβアミロイドが消える
(*βアミロイド:アルツハイマー病患者の脳に見られるアミロイド斑の主成分として、アルツハイマー病に重大な関与を行うアミノ酸のペプチド)

0.19/0.37㎐、酵素テロメラーゼ生成に関する分子が共鳴。
(*テロメラーゼ:真核生物の染色体末端・テロメアの特異的反復配列を伸長させる酵素。癌や老化に関係していると言われる。)

0.5~3㎐、神経細胞の再生を刺激。
(*ストレスが生じ、ノルアドレナリンドーパミンなどの神経伝達物質濃度が前頭前野で高まると、神経細胞間の活動が弱まる。)

毎晩熟睡していると、自然に若返ったり元気になったりするわけだ。
では、毎朝眠り足りない気分で1日を始めていたらどうなるだろう。
数日ならともかく、そんな状態がずっと続いたら心身は疲弊してしまう。
症状や病気の多くは、そういう状態の結果として現れてくる、自分からの訴えではなかろうか。

このデルタ波を毎晩出したい。そして熟睡したい。
デルタ波に入るためには、夢見の状態のシータ波、そして目が覚めているときの意識(β波)と、シータ波・デルタ波の架け橋となるアルファ波を分泌させる必要がある

ヨーガ実習をすることで、このアルファ波がだんだん出やすくなっていくのだ。
この効果は1回の実習でも現れる。
鍵は、「思考が起きていない状態」を自分のなかに作り出すこと

頭のなかの声に捉われずに何かに集中して欲しい。
20分でいい。
ただそれを行うのはなかなか難しいので、動きを添えたり、呼吸を使ってみよう。

ただ、実習を継続しなければこの効果は持続しない。
長年の心身の反応パターンは、そう簡単に変わってくれないのだ。

救いと言えば、そう難しいことを行う必要はなく、呼吸を活用した簡単な実践で望ましい結果を手にすることができるということだろう。
押さえねばならない点を理解して、実習を行うことが大事である。