蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№112 お別れ

敬愛する義理の祖母が、二日前の夜明け前に現身を去ったため、最後のお別れに四国に参じてきた。

御年99歳、数えで101歳の祖母は、大正から令和までの4つの時代を生きた。
2度目の東京オリンピックを観戦すると言っていたので、その時までは間違いなくこの世にいて下さるものと思っていた。苦しむことなく眠るように逝かれたという。家族の誰も、その時に居合わせることができない性急な旅立ちであった。

この祖母との出会いは婚姻によるものであった。
生家に茶室を持つこの方に初めてお会いしたのは、茶道を学び始めてほんの数年がようやく経っていた頃のことで、座敷への出入りが作法通りに行われる様に驚き慄いたものだ。若い頃の憧れから茶道を学んでいた私を、励まし応援してくれたこの方のご支援無くしては、今のように歴を重ねることはできなかったことは間違いなく、今の自分があるのはこの方のお蔭と思い、深い感謝を感じる。

何とはなしにウマの合うお方であった。きっと以前に、どこかの生でご一緒したことがあるのだろう。
近年は、自分自身の課題にばかり掛かりきりになって、ご無礼ばかりだった。悔やんでも仕様が無いが、今、御魂となってのびのびと各所に遍在しておられ、私の傍にもおいでくださる気がするので、お叱りも受け、改めて自分の誓いを聴いて頂く事にしよう。
愚かであること、至らぬことが多々あり、焦り苦しみもするが、「何れの玉か はじめより光有」という言葉もあることなので、自らを諦めることのないように、今の私の倍以上の年月を生きられた方の背を追いながら、お心を思いながら生きたいと思う。

ほんとうにありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り致します。