蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№590 シンクロニシティ①

その名前くちにするときわたしにはまだ使えない呪文のようだ  雪舟えま



3月4日
今日はとても忙しい日だった。
昨日、おもしろいことがいろいろあったのでそのことについて書くつもりだったが、今日はもう時間切れ。明日3時起きなのでほんの少しだけ書くことにする。

明日からの出張のため美容院に出向く際、近所のホニャララサイクルのつなぎを来たおじさんが前を歩いていた。そのおじさんのお尻の右側に、けっこう大きめの犬のアップリケがしてあり、驚きと共に萌えながらおじさんのお尻を凝視してしまった。

柴犬かな?いやあ、なごむなあ。いいなあ。

 

さて明日はインテグラル・メンバー有志による神戸合宿。こんなご時世なので決死隊の精鋭のみで開催することになった。題して「鬼滅の刃で読み解くインテグラル理論」。

 

昨日のシンクロ多発体験、今日のJK剣士ネタ、そして合宿ネタ。
明日からまた頑張って書きます。約3時間後に起きて、5時間後に出発します。
おやすみなさい。

…………………

3月5日
おはようございます。昨日の続きです。昨夜遅くにアップしたものに加筆してお届けします。

今、新神戸駅の新幹線待合室。合宿メンバーの集合は10時で、6時台の伯備線特急やくもに乗ればいい感じの頃合いに到着するはずなのだが、今は2時間一本に減便となっているので始発(5時32分発)に乗らねばならない。これから約1時間ここで待機である。

 

昨夜は日が変わる直前に寝て、3時に起きた。さすがにからだを布団から引っぺがすのに困難を覚えた。こういう時はAsanaに限る。いや、ほんと「カッ!!」と目が覚めるから。前屈が最高に効くが起き抜けのカラダにはややハードルが高いので、私はいつも「猫の伸びのポーズ」。やってみればアーラ不思議、目が醒めちゃうんですよ。メカニズムはよくわかりませんが、かなり使える技なのでお試しあれ。

 

タクシーは5時に来るんだから、ギリギリまで寝とけばいいと思うでしょ?でも一応まだ「シュフ」の残滓が残っているので、ご飯炊いたり片付けしたりしてみるわけです。でも一度、5時10分にタクシーを呼んであるのに5時に目が醒めたことがある。リーダーが夢に出て起こしてくれたのだ。リーダー、そこまでしてくれてホントにありがとうございます。その時の起床から出発までの速度と言ったら、アレですよ、”非常呼集(これは訓練ではない)”って感じ。あの頃は家にぶーちーがいたから出発後に「フトンタタメ、タノム」とLINEしたら「マカセロ」と返ってきてほんとうに有り難かった。しかし今我が家にはぶーちーはいない。だから寝坊は許されないのだ。

 

 

で、シンクロニシティの話でしたね。先日、お昼頃ブログを書きながら「この身体感覚の変化は、靈氣由来だな」と思ったので、LAにいるマスターマリコにSOSした。その後ブログをアップして、前日の分のコメントをチェック。そうするとマスターマリコからもコメントが入っており、新しく勉強なさったヒーリングのモニターをやって頂戴というご依頼だったので「やるやる!」と返事してLINEに戻るとマスターマリコからSOSへの返信が来ている。そこで先程確認したばかりのヒーリングを、日本時間の14時からやろうと約束。

ここまでのやりとり、わずか10分。宇宙的阿吽の呼吸って感じがした…。マスターマリコと弟子である不肖ワタクシはテレパシーでもやり取りができるが、LINEでも同じようにレスポンスが早い。LINE+テレパシーだからかもしれない。


最近なんだか、なんでもかんでもこんな感じで「ぴしゃッ(たぶんこれは長崎弁)」とハマるのである。昨日も非常に忙しい1日なのに、JK剣士が学校で甚だご立腹になったとのことであたふたと迎えに行ったが、その前後の予定とあわせてなーんとなく、なんとかなるのは実に不思議だった。

トイレの壁に貼ってある道元さんのお言葉「おのれのはからいなし」ってこういうことだろうか。引き続き、実験と観察を続けてみたい。マスターマリコとのヒーリングと、JK剣士ご立腹の件については②で。これから合宿モードに入ります。

 

 

№589 ションボリホルモン

火から火がうまれるときの静かさであなたにわたす小さなコップ  笹井宏之



3月3日
皆さんお元気ですか?私は元気ないですけどね。ワケ?そうだなあ、昨日「日本沈没」2006Ver.をYouTubeで見て、その後も主題歌「Keep Holding U」をループ再生でずっと聴いてたからかな。

ニッポンを救うためにわが身を擲つと決めいよいよ出発だというそのとき、彼女がバイクでガーっとやってきてふたりは駆け寄って抱き合う。その時この曲が流れる。我が身を犠牲に、というところで「塩狩峠」を思い出しちゃうのは私がオトナだからでしょうか?

しかもこの映画のこと、私まったく知らなかった。2006年でしょ?人生ドンゾコだと思っていた頃ですね。深く沈降していて外界の事象に全く触れていない感じで、記憶がほとんどない。ところがどっこい!そこはまだ全然底じゃなかったことを今の私は知っているので、2006年当時の自分に「沈没するぞー!」と大きな声で言ってやりたい。でも絶対者の仕事はいつも申し上げるとおり緻密にして完璧なので、今の私からの警告は風に吹きすさんで消えてしまう。がんばれ2006年の私。

いやしかし、
最期かもしれなかったりつらく孤独だと思う瞬間に、

“誰かが、間違いなく、自分を思ってくれている”

と確信できることはひとにどれほどの勇気をもたらすものだろうか。

それは言葉などでは決して表現できない感情だと思う。熱いハグを交わす草薙君と柴咲さんを思いながらジーンとしてしまう。頼むから帰ってきて、彼女を抱き締めてあげてほしい…ああ。今日の私は脳内の、推測するに報酬系の隣からションボリホルモン略してSHが分泌されているので、なにを見てもきいてもションボリするんである。

 

 

さて、JK剣士は母のブログなどは決して、絶対に、読まないが、気には懸けてくれている。
「今日はなに書いただ(*米子弁同時通訳=本日のブログには如何なる文章を載せたのであるか)」と聞いてくれるので、カクカクシカジカでありますと答えると鼻でフッと笑われ、

「おもんな(=それは大層陳腐でつまらなく、お読みになる方がお気の毒ですね)」
と言われるのである。

そして、
「こんなん書きない(=せっかく世に自分の文章をご披露するならば、これくらいのものを書いては如何か)」とJKの古文の教科書を渡された。はて?

「これがおもろい(=これは実に面白いので参考にするがよろしいでしょう)」と言って示されたのは「土佐日記」だった。

紀貫之…元祖ブログ? 
いや、別にいいです。すみません、たぶん路線違います。

 

 

ところで最近、内的なものの変化が生じている。これに関してはマスター・マリコがお詳しそうなので先程LINEで狼煙を上げておいた。今晩にでもお返事が頂けるだろう。

廊下を歩いてて何かにぶつかったら痛いですよね。筋肉痛もすぐわかりますよね。あれと同じ感じで心の動き・反応が物的に明確な感じとしてわかるのである。わかってもらえるとうれしいんだけどなあ。

昨日は「日本沈没」を見ていたではないですか?映画の場面でいろいろあってすべてが哀しいわけではないですよね?そうするとその場面場面で心がカタチをもったものみたいに鮮やかに動く。
昨日は写真の整理もしていたのだが、ひとつひとつの写真にはその当時の思い出や今に到るまでに遷り変わったことに対する感情があるが、もうそれがドッタンバッタン!という感じで動くのである。


たぶんそれで疲れて、心的エネルギーがダウンしているのだろう。だからションボリホルモンSHが出るんですよ。そうだ、きっとそうだ。肉体を持つ我々は陰陽双方の力を内在させているから、嬉しかったり寂しかったりは表裏であってすべて同じこと。べつにいいんだって、しょんぼりしてても。

なんだかさー、パソコンの調子も悪いし家のなかのものもどんどん減っていくし(私が棄ててるんだけど)節目感がいっぱい。これまでに書いてきた文章の加筆修正と、また新しく文章を書くことに没入しようとしているのだが、その前に何かが起きつつある予感。春だしね。

 

今日はひなまつり。目白にいるぶーちーにも雛あられとコーヒーを送った。今夜はJK剣士のために肉を焼くことになっている。雛祭りっていえば肉だよね、うん。


 

たとえ遠く 離れても
抱きしめている ずっと
めぐり逢えた 命は
時も越えて 響きあう

”Keep Holding U” 久保田利伸

 

 

 

 

 

№588 1秒のながさ

一生の暗きおもひとするなかれわが面の下にひらくくちびる  篠 弘

 

 

 

3月2日

大人のみなさん。フラフラしてますか?
もしかして腰が痛いとか俺ももう年だなとか思って、いまこの瞬間を生きるよろこびをどこかに忘れてきちゃったんじゃないですか。だいじょうぶですか。もしかしてうっかり今朝最寄りの駅にそういうお心を置き忘れてきちゃった人もいるかもしれないから、今日は感動美談をご披露しましょう。読んで驚け!!

 

 

昨日もまたもや学校休み(振替休日)だったJK剣士。鳥取県立なのに鳥取市じゃなくて米子市にある武道館にて稽古。もうすっかり忘れちゃっていたが先日ケガをしたんでした。なので防具&道着は持たずに竹刀袋(でかでかと「光」と刺繍してある。全中出場記念)だけを持って参加。素振りや体幹トレ、計時サポートなどをしているようである。

ちなみにJK剣士たちの体幹トレはほんとに凄い。活きたカラダ、闘えるカラダをつくる体幹トレですよ。しゃがんで素振りしながら前に進むとか、できます?まあこの話はまた今度改めて。

 

終了後、本日の稽古の話をいろいろと聴かせてくれる。今日は事情があってカントク(超熱血・日体大出身)がいなかったので、ちょっと“ズル”モードだったらしい。どうりでずいぶん早く終わったなと思ったんだよね。今期のキャプテンAとJK剣士は、実をいうとおむつをしていた時代からの仲。まさかここで先輩・後輩として再会するとは思わなかったが、今でも家では保育園時代と同じく呼び捨てである。


「いつも15秒やるかかり稽古を、M(キャプテンAのファーストネーム)がさあ、10秒でいいって言うわけよ」ときた。ストップウォッチを手にした負傷JK剣士は「は?」と聞き返した。するとキャプテンAは「10秒でいいって。意味わかる?」と言う。

「いや、意味わかる?って言われても、わからんでしょ?!」と熱く語るJK剣士。
意味、わかります?はい、ここから感動美談。みなさま、ティッシュと心の準備をしてください。

JK剣士が言う。
「うちが剣道で学んだいちばん大事なことは、1秒の長さだ」

 

もう一回言いましょうか?
剣道で学んだいちばん大事なことは、1秒の長さ。

すごくないですか、この言葉。スーパーマルイでカートを押しながら、思わずJK剣士の顔を凝視しちゃったよ。そしたら意味わかんなかったと思われたのか、もう一回繰り返してくれたけれど、違うの、すごいと思ったから見つめたんだよ。

 

ああ。母は、JK剣士がまだJKじゃなかった頃の試合を思い出して涙が出そう。あと1秒あれば、この1秒を耐えられれば。傍から見ているのとは違う時間の流れの中で、密度の濃い数分間を闘いぬいてきた子たちにしかわからない世界がある。

 

 

行をするとき、点前をするとき、その刹那だけにこころを留めて今この瞬間にしかいないようにして生きる。Yoga歴が少しずつ長くなるにつれて、ぼんやり無意識に何かを考えぐるぐるまわる思考に翻弄されたりすることはなくなったけれど、このひとつの選択を間違えたら勝負が決するなんて思いはしたことがない。勝ち負けにこだわってなにかをすることも、短期的になにかを成し遂げろと迫られるのも大のニガテ。こんな私からなぜこんな子が生まれたものだろうか。

1瞬の重みに私も思いを馳せてみる。
茶杓をそっと、息を詰めながら茶入れの蓋の上に預けるとき。香を、炉のなかの最も適切な場所にと思いながらそっと置くとき。濃茶をどこまで練るかという判断。曲の最後の一音の響きに耳を澄ませ、掌で絃に触れて音を止めるとき。合奏のかけあい(箏と三絃で対話をするように交互に弾くこと)の、一瞬の間。
そして、いまここで、この方にこの言葉を伝えておかねば、と思う直感がやってくるとき。おからだに触れ、掌に感じるものに耳を澄ませているとき。マントラを唱え終え、聖音が空間に、静かにひろがっていく一瞬。

 

 

今日はカントクがいないから、ふだん15秒のところを10秒でいいんじゃい!というキャプテンAの無理に負傷JK剣士はしぶしぶ従ったらしいが、如何にも不満そうだった。もちろん他の先輩も「それはさすがに短くね?」とツッコんだそうだが、キャプテンの暴挙は完遂されたみたい。

ちなみに試合時間は3分ね。激しい打ち合いの稽古を15秒やりながら大事ないつかを待つか、10秒やりながら待つかは全然違うはず。だからJK剣士は「意味わからん」と言ったのだろうが、キャプテンAにはキャプテンAの深く思うところがあったんだと思うよ。かなり強い人だしね。単にサボろうとか楽しようとかそういうことでは決して…。
でもこれ、カントクにバレた日にはさあ…まあでもたまにはいいか。カントクがいないことがほんとに年に数回とかいうレベルだもんね(超熱血だから)。

 

1秒の長さ、重々しさ。
JK剣士にこれを言われて、ドキッとしない大人はあんまりいないんじゃないかな。いや、私だけがぼんやり生きてきたってことか。母はこの言葉をきっといつまでも忘れないよ。

 

 

 

№587 内気だから

脳みそがあってよかった電源がなくても好きな曲を鳴らせる  岡野大嗣



2月、と書きかけて、もう3月になっていたことに気付く。3月1日。
昨日の卒業式の振替のため今日もJK剣士はおやすみ。JK剣士おやすみ=送迎=一緒に昼ごはん=午後グダグダ、という絵が脳内にカッ!と展開する。まずい。朝のうちにできることはやっておかねば笑わされて骨ヌキにされる…

 

最近ずいぶん早くに目が覚める。ここのところ我が家は引っ越し準備のような様相で家財を捨てまくっており、がらんとした部屋でAsanaをする。一応センセイと呼ばれる身として、意識があるときはずっと肉体に意識を向け、感じ続けているつもりだが、やはりAsanaは特別。やらなければわからないこと、そしてやると変化が生まれることをいつもいつも実感させられて、日々改めてAsanaという恋人に惚れ直すがごとくである。

私たちはカラダを「所有して」いる。私はカラダではないから。そしてこのカラダは私にありとあらゆる「快」の感覚を体験させてくれる。私がこの所有するカラダを用いて動くとき、カラダは私の内的なものに従って、添って動いてくれる。これ以上そばにいてくれる恋人って、絶対者ブラフマン以外には私のカラダしかこの世にないよ?

大事なひととどんなに密接に触れあっても、それぞれの皮膚が境界となって融合は起こらない。だから目を閉じてカタチのない存在としてひとつ(一者)になりたい。そうすると、いまここで目を閉じたら、私たちそれぞれのなかに在る絶対者を通じてひとつになることができる。もう現身がないひとも、遠く離れて声しか聴けないひとも、どこかに生きていているはずなのに声すら聞けないひととも。あなたもわたしも、離れていないよ。いつも、ひとりではないんだよ。



さて、家財捨てまくりの件。2月の出張から戻ると、当然だが長女ぶーちーが家にいない。食材が減らない、洗濯物が少ない、洗い物が少ない。ないない尽くしのなかで「いつかなにかのとき、この子たちがつかうかもしれないし」という物品を捨てていいのだとハタと気付いたのだ。JK剣士も尊敬する先輩方の巣立ちを前に、母の気持ちを共有してくれ盛大に手伝ってくれた。そして今朝、ごみの日だったから何袋も捨ててきた。もうこの勢いで引っ越しできそうだなーと呟くと、横でJK剣士が「うん」と頷く。


この4月、JK剣士はJKとして2年目の春を迎える。母娘のなかでは、この2年生の時期に「高校生としての剣道」との向き合い方に対してハラをキメようと思っている。あくまでも公式戦の学生出場枠に拘るのか、生涯続ける剣道にシフトするのか。規夫師匠はもっと大きな視点から後者を勧めてくれる。私も途絶えることのない一生の取り組みとして彼女たちに「道」に入ることを強く勧めてきたから、学校剣道に固執する気はない。しかし見方によると間違いなく権利でありチャンスである。さてどうする、JK剣士?とことん悩め。

 

 

ところで3月は、インテグラル・スナックがオープンする。アドレナリンが多めに分泌してきてる感じ。とうとうママとしてデビューするときが近付いてきた。「きもの装いコンテスト」留袖の部で入賞したとき、ロビーでうろうろしていたら見ず知らずのおじさんに「あの…玄人さんですか?」と訊かれたのだが、この内気で声の小さい私をつかまえていったいなんという問いかけであろうか?!勘違いも甚だしい。気が弱いので「失礼ね!」と言えなかったことが今もトラウマとなって心に刻まれており、ますます声が小さくなってしまう。しかしこの度は(マスターに使い回される身とは言え)お金をもらってお酒出すんだから、クロウトさんに違いなかろう。

カウンターの向こうに立つ者として、何を着たものか激しく悩んでいる。気合を入れるために買ったヒールを、今日は足慣らしのために履いてきた。履くと身長がプラス12㎝となるので、えーと181㎝?米子でこの靴で闊歩するとかなり異様である。家を出るときJK剣士が「ほんっと、うちのまわりは変人ばっかりだな」と言う。たぶん私のことではなかろう。ダメだよ、自分のことやご近所さんのことそんな風に言ったら。元気出して。

この度は、新人ママが内気なため完全予約制でお知り合い方のみのお席となるが、いったいなにを着て現れるのか皆様ドキドキしておられることだろう。今回かどうかはわかんないけど、一度は黒留で三絃ご披露しようかしらね。っていうか、内気だから使いものにならなくて一回でクビになったらどうしよう。あり得る。

 

 

№586 それでも

かんぺきなかたちのひとをみつけても遠い島だとわりきってやる  笹井宏之

 

 

 

2月28日
昨夜はM社長と今年初めての会食。なので新年会。マスターマリコが遠いところに行ってしまってからはふたりで飲んでいたけれど、このたび謎の美女をご紹介下さった。大人女子三人の夜は更けるにつれだんだんと濃密になっていき、強いお酒を呑まずにおれないほどの色っぽい話になった。
Marujinのカウンターにつくなり「ウィスキー、ストレートで」という男前なオーダーをしたはいいがすっかり酔っぱらっちゃって、二杯目は「笑わないでください」と前置きしてカルーアミルク。M社長に爆笑されたが、心優しいマスターは「バーで飲むカルーアミルクはすごく美味しいんだよ!」と慰めて下さった。いや、ほんとに美味しかったです。1次会でデザートも食べないくせに、ここでカルーアミルクとは…。いや、すごい会でした。M社長、この度もありがとうございました。

Yogaのセンセイなのに、お酒を呑むツボイセンセイがスキ!
とM社長が言って下さる。しかし、私も超!ストイックだったことがある。アーユルヴェーダの専門教育を受けていた数年間、あの頃がいちばんヤバかった。教え通りのライフスタイル(朝から色々やることがある。行とか浄化法とか)を貫いていたし、朝4時とか5時に起きて30分瞑想、乳製品以外の動物性食品は摂取しない、お酒など言語道断である。自衛官時代、朝まで吐くまで飲んでいたこの私がエライ変わりよう。河合隼雄さんが「人間の変化は180度で起こる」と書いておられたがホントそんな感じ。要するに極端だってことか?

ところがどっこい、規夫師匠に叱られ?ちゃったんです。これが噂の、「ヨーガ教師に対する瞑想禁止令」。バカになって子供に遊べ!というミッションを、根がマジメな私はちゃんとやろうとがんばってきたつもり。10年近くかかったけど、努力の甲斐はあったかもしれない。評価は娘たちがすることだろうが、関係性の良さと絶妙な距離感は、師匠の指令に従うことで生まれた副産物かな。

 

 

今日は午後から、約5年前に出会った二人の男性と会食。お二人とも亡きおにいちゃんと面識がおありで、偲びつつ飲茶を頂いた。お兄ちゃんに強く勧められて参加した、とある勉強会でのご縁だった。この会に対して思うところはたくさんあるが、ここには書かない。すべての視点は尊重されなければならないが、私はこの視点を採用しない。ただそれだけのこと。ただ、そこで出会い、今も親交が続く方々は間違いなく柔軟な方々だ。このようなご縁に恵まれてしあわせであったと思う。

 

 

昨日、今日ととても濃密な時間だったので、気怠い脱力感に包まれている。
かつての自分だったらここでキリっ!と瞑想でもしていたかもしれないが、今の自分はオリジナル・ラブの“The Best Day of My Life”を流しながら、アロマキャンドルを灯したお風呂で「ノラネコぐんだんコミック」を読んで爆笑してみる。

ヒグチユウコも天才だが工藤ノリコも天才である。日本の絵本業界はほんとうにがんばっている。あの大人気絵本の原点がこんなバカげた4コマ漫画にあったとは、よいこの皆さんは到底思うまい。駄洒落かオヤジギャグかというネタになぜここまで笑えてしまうのであろうか。決して笑うまいと固く心に誓っても、思い出し笑いまでしちゃうんだよね。そして笑った自分に「バカじゃない?!」とツッコんでまた笑える。あんまり笑ってるから、JK剣士がその本を手にとってやっぱり笑ってる。あー、ヤレヤレ。

私は”笑いヨガ”が大の苦手なんだけれども、それはたぶんいつもこんな風に大笑いしながら生きているからだろうか。うそわらいでも肉体にいい影響がある、というエビデンスはあるそうだが、ウソわらいなんてしなくて泣きながらでも誰かに抱きしめてもらえた方がいいし、泣くひとにそっと寄り添える自分でありたい。


ほんとのこというと、私も今は泣きたい気分。
今日、7年おつきあいさせてもらった生徒さんが亡くなられた。去年の今頃までふつうにレッスンをしておられたのに。15年悩んできた腰痛をYogaで克服されたのに。
でも肉体の生き死には、絶対者ブラフマンが取り仕切っていることだし、ほんとうのわたしたちは常に、今ここですべてと共に在るから泣かなくてもいい。

でも、それでも。現身で迷妄の世界に共にいる夢を見ていることも、尊い。だから誰かと会い、語り、味わい、手を伸ばして触れ、大きな声で笑うことをちからいっぱいやりたい。



昨日までとは少しずつ違う
今日のことは 憶えていよう
The Best day of My Life.  
It's the Best day of My Life.

 

 

№585 再生の地

脂身のない肉なんてうちのおらん地球みたいなもんやでしかし  じゃこ

 



2月27日

明日はJK剣士が通う学校の卒業式である。諸々準備のため部活は休み。母が出張中に毎朝「おはよー」とLINEしても翌日の夜におかしなスタンプを返してくるだけの彼女が、なんと今日は「今から帰る」と連絡してきたではないか!月の三分の一は家にいないでフラフラしている身とあっては、ここぞとばかりに存在感をアピールしようとして「ランチ行く?」と声をかけた。

JK剣士とのランチは、萬龍軒もしくは寿司の二択である。そして今日は寿司。当然回る。素材がなんでも美味しい鳥取県だから回転寿司のクオリティも高い。しかし、ここで私たちかたく決めていることがある。すなわち「回ってくるものだけ食べる」というルール。

いや、みんながいろいろ注文したらそのおこぼれが流れてくる感じなのはよくわかるのだが、回転している寿司なのに自ら注文してしまったら女が廃るっていうか?おまかせで回らない寿司屋で食べるんじゃなかったら、黙って回っているものを食べるべし!淡々と今この瞬間、この寿司屋で、回転しているものとの出会いを享受するのみである。「なにが流れてくるかな~」とも思わず来たものにすっと手を出し、「寒ブリだったか、うむ」とまるでこれが運命だったとばかりに食べたら、案外好きなものばかり(鳥取はタコやアナゴは美味しくないと思うから食べない)という展開になるのではないか。


ひたすら目の前でぐるぐる回っていくネタを見つめながら、絶対者ブラフマンの御業に思いをはせている母。ちゃんと食べなさい、とJK剣士に叱られた。

 

 

数日前、しげにいちゃんの4回目の月命日だった。まだ4か月しかたっていないなんて、嘘のようだ。今日はランチのあと、鳥取県西伯郡南部町(我が家から車で約20分)にある赤猪岩神社に詣でてきた。あかいいわ、と読む。昨年2月、一足先に詣でたしげにいちゃんから「いいところだから行っとけ」と言われ、雪のなか長靴を履いてお詣りした。

ものすごくざっくり解説します。
古事記に詳しいひとがいてもゼッタイにツッコまないでください。私も古事記ファンなので結構詳しい方だけど、いまそういう場面じゃないから。あなたも我慢して。

出雲大社に祀られている大国主大神が、ご兄弟(八十神)と一緒に、今の鳥取市あたり(因幡国)にヤガミヒメという超美人の嫁取りに行きます。
往路で起きた事件が、イナバのしろうさぎ救難ですね。
大国主大神はただの荷物持ちだったんだけど、たくさんいたきょうだいをさしおいて、超美人のヤガミヒメから婿に選ばれてしまうわけです。さすがです。

しかし復路でまた事件発生。嫉妬した兄弟たちが大国主大神を殺すと決め、「山の上から赤い猪が来るから止めろ」と云いつけておいて真っ赤に焼いた大石を落とすという、甚だ面倒なことをやってしまいます。男の嫉妬は実に怖ろしいですね…。

猪はつかまえとかないと近隣住民が困るからな!と(きっと)思った大国主大神は、嘘を真に受けて焼けた石を真正面から抱き止めてしまいます。当然焼け死んでしまいました。
首尾よくいったので満足して帰っていく兄弟。

ま、でもこのままにはならんわけですよ。だって今、出雲大社があるわけですから。ご安心ください。
結局のところ、ご母堂が根の国の神様にお願いしたところ、二人の貝の女神さまが差し遣わされます。ハマグリの女神さまと、アカガイの女神さまです。このお二人の治療によって大国主大神は無事生き返り今に到ります。めでたしめでたし。

はい、長かったですが、そういう由来のある地がここ。死と再生の地。

神社の裏手には今もその大石が埋まっているとされ、その岩の上端は見ることができる。とても素晴らしい、そして強い氣の漂うところで、私は大好き。でも今日は、再生の神と仰るがしげにいちゃんは行ったままで帰ってはこない、昨年ここに来たのになぜ、と責めたい心もあり、同時に、他人でありながら現身を去る直前に合わせて下さったことにありがとうと、申し上げる気持ちで詣でてきた。

2016年に統合医療学会山陰支部が発足したとき、なんとこの鄙びた南部町で設立記念講演が行われ、川嶋みどり先生まで来てくださったのである。ちなみに私が司会デビューしたのもこのとき。以来、山陰支部の研究総会の司会をずっと仰せつかっている。

でね、このときある方の講演で初めて知った。ハマグリとアカガイの成分って、今も火傷の薬に含まれているということを。神話と現代は、ちゃんとつながっている。

「受難」「再生」「次なる発展への出立」の地として、訪れるひとが数多であったという南部町・赤猪岩神社。これからも折に触れてお詣りし、しげにいちゃんとテレパシーで交信したい。

ちなみに南部町のHPには、この神社についてのページがあるのだが「大国主大神を救ったのは、二人の神と母の愛である」と書かれている。愛を入れてあるのは、よかった。

母だろうが他人だろうが、やはり人をケアするのに大事なのは愛。二神のような力をもたない私たちにできるのは、そのひとを心から思うことと、物理的にではなくとも、寄り添うことである。愛という言葉に抵抗があるなら、“あなたを大事に扱うこと”と言いかえていい。先日読んだ本にあった言葉。何の本だったか今思い出せないが、この言葉だけが強く印象に残っている。

 

 

 

 

№584 尊敬、そして援護射撃

「どちらかといえば好き」まで合わせると四割の女子がおれのこと好き  ユキノ進

 

 

 

2月26日

JK剣士が寝坊しちゃった。遅刻ついでにせっかくだから通院することにした。なんというか、転んでもただで起きるのは嫌というか。寝坊した価値あったなあ!という風に生きたい。
通院といっても柔道整復師のYセンセイのところ。例のラージャ・ヨーガの大先輩ですね。母はね、セイケイゲカというところをあまり、いやほとんど、正直言うとぜんぜん信用していないのです… あー言っちゃった。

一応私はヨーガ療法学会の認定なるものをもらっているので、研究総会には参加してきた。2014年7月4~6日に岐阜県多治見市のセラミックパークMINOで行われた第12回総会のテーマは「脳科学から見るヨーガ療法」。壮大だなあ、ヨーガ療法なんだか凄そう。そのとき特別講演をしてくださった牛田享宏先生(愛知医科大学)の「運動器を動かさないことによる慢性病のメカニズムと疫学」というお話はすごくおもしろかった!

 

ズバッと仰るわけですよ。整形外科に来てもらっても慢性痛は治りませんから!、センセイ方(注:認定ヨーガ療法士のこと。なにしろ1000人を超えるヨーガ療法士がその場に集まってるんだから、こう呼ぶしかあるまい)の出番ですよ!と。もちろん講演なんだから、ヨーガの味方じゃない人が聴いても十分納得できる論理的整合性もあるわけです。この話をちゃんと聞いたら「すみませんでした、腰痛のこと誤解してました…」って謝りたくなると思う。

 

だからいわゆるケガというものをしたら、柔道整復のセンセイのところに行くか、O先生に連絡するかです。実は母も今朝、片脚スクワットして右のお尻がヘンなことになってしまった。なのでO先生にもSOSしたし、通院ついでに診てもらったけどY先生にはなんにも言ってもらえなかった。きっと「またへんなAsanaのやり方したな、まったくこいつはなっとらんな」と思われていたのだろう。アタリ。


あるクライアント様のモチベーションを上げるために、心身を調えた暁に私をお姫様ダッコの上スクワット(ヒンズー・ワイド・ランジの3種類で)してもらおうと考えている。これ苦行じゃないですよ?可哀相って思った人いたら指導対象です。

お姫さまだっこスクワットとはすなわち「人間ベンチプレス」。バーベルは存在としての自由度が低いため動かないし何も言わないかもしれないが、私は生きた肉体を持つ可憐な女子である。持ち上げられたら「きゃあ~」と怖がって見せねばならないし、Yogaでからだの芯まで無駄なく機能するように鍛えられ、その影響で内臓、呼吸、意思、理智も健やかに働き、歓喜に溢れ、すべての隷属から解放された独尊位の象徴たるハラやウデをそっと触って「あらステキ~」と褒めてさしあげねばならない。センセイはどこまでも真剣である。君たちはついてこれるか?!

 

 
ところで、

私たちが山手線の秘境・田端駅近くの秘密の場所に通うようになって2年目に突入した。飲み会で初めて出会って、飲んだノリで「なんかやるか~」となり、帰宅途中の新幹線のなかでしきりにチャットして盛り上がったことを忘れられない。
でも正直言って、あのときあんなに盛り上がったのに、それぞれがそれぞれのことをなーんにも知らなかった。

 

酒のノリでチーム結成して、小学生みたいにニックネームで呼び合うようになってから、後だしジャンケンのように「え、この人、実はすごい人たちなんだ…」と青ざめている。飲んだノリとは言っても、その前に洋平ゼミで一緒に過ごした数か月がある。とは言え。フラフラしてるの私だけじゃん!

 

この秘密の場所に通うようになるまで、私は透析医療のことは何にも知らなかった。
誰よりも私のことを可愛がってくれた従弟が透析治療をしていたということくらいしかご縁は無いのだが、私にとってあんなに大切だった人が、長い時間をかけて受けていた治療なんだと思うととても感慨深い。

このチームには3人しか人がいない。それぞれ別の分野でやってきて、それぞれ自分が所属している業界に対して思うことや、患者さんやクライエントさんのためにやりたいこと・やらねばならないことがあると思っている。だから自分の業界を跳び越えて洋平ゼミに辿り着いた。ご存じないと思いますから申し上げますが、通常こういう業界の人はあんまりそういうことはしないのです。だって考えなくたって食べていけるからね。

 

3人ひとがいて、自然にリーダーが決まっちゃったんだけど、それは年齢とかそういうこととはいっさい関係がない。O先生と私は、ほんとうにリーダーのことを尊敬している。自分たちに何かの場を与えられたから、そのことに喜んで毎月秘密の場所に通っているわけでもない。リーダーのやろうとしていることや、そのお人柄に惚れているから通っていると思う。私たち二人も結構な変わりモノだから、嫌だと思ったことはゼッタイにやらない。でもここでの仕事は全身全霊をかけたいと思わされる。

でもさあ、リーダーはお釈迦様レベルの偉大なる凡人だから、ご自身は至ってふつうのつもりらしい。

だからO先生と私は決めたのである。
秘密の場所で、リーダーの援護射撃をしようって。

そしてご自身の偉大さに目覚めて頂いて、「あれ?俺、なんでこんなに音量小さかったのかな?!」と唖然として、世界に向けて叫んでもらえるように。大きな声でなくてもいい。金細の三弦のように、小さくても確かに、遠くまで鋭く響き、伝わるように。そうしてもらうことで、静かな水面にどこまでも伝わっていく波紋のように、救われる患者さんが増えるはずだから。必ず。

人を助けるためにはまず自分が死んだらダメだから、私も毎日のルーティンをバージョンアップして、場合によっては、イケメンに抱きついてもらいながら板のポーズができるようにしておくかな。どんな場合なのかはわからないが。