蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№587 内気だから

脳みそがあってよかった電源がなくても好きな曲を鳴らせる  岡野大嗣



2月、と書きかけて、もう3月になっていたことに気付く。3月1日。
昨日の卒業式の振替のため今日もJK剣士はおやすみ。JK剣士おやすみ=送迎=一緒に昼ごはん=午後グダグダ、という絵が脳内にカッ!と展開する。まずい。朝のうちにできることはやっておかねば笑わされて骨ヌキにされる…

 

最近ずいぶん早くに目が覚める。ここのところ我が家は引っ越し準備のような様相で家財を捨てまくっており、がらんとした部屋でAsanaをする。一応センセイと呼ばれる身として、意識があるときはずっと肉体に意識を向け、感じ続けているつもりだが、やはりAsanaは特別。やらなければわからないこと、そしてやると変化が生まれることをいつもいつも実感させられて、日々改めてAsanaという恋人に惚れ直すがごとくである。

私たちはカラダを「所有して」いる。私はカラダではないから。そしてこのカラダは私にありとあらゆる「快」の感覚を体験させてくれる。私がこの所有するカラダを用いて動くとき、カラダは私の内的なものに従って、添って動いてくれる。これ以上そばにいてくれる恋人って、絶対者ブラフマン以外には私のカラダしかこの世にないよ?

大事なひととどんなに密接に触れあっても、それぞれの皮膚が境界となって融合は起こらない。だから目を閉じてカタチのない存在としてひとつ(一者)になりたい。そうすると、いまここで目を閉じたら、私たちそれぞれのなかに在る絶対者を通じてひとつになることができる。もう現身がないひとも、遠く離れて声しか聴けないひとも、どこかに生きていているはずなのに声すら聞けないひととも。あなたもわたしも、離れていないよ。いつも、ひとりではないんだよ。



さて、家財捨てまくりの件。2月の出張から戻ると、当然だが長女ぶーちーが家にいない。食材が減らない、洗濯物が少ない、洗い物が少ない。ないない尽くしのなかで「いつかなにかのとき、この子たちがつかうかもしれないし」という物品を捨てていいのだとハタと気付いたのだ。JK剣士も尊敬する先輩方の巣立ちを前に、母の気持ちを共有してくれ盛大に手伝ってくれた。そして今朝、ごみの日だったから何袋も捨ててきた。もうこの勢いで引っ越しできそうだなーと呟くと、横でJK剣士が「うん」と頷く。


この4月、JK剣士はJKとして2年目の春を迎える。母娘のなかでは、この2年生の時期に「高校生としての剣道」との向き合い方に対してハラをキメようと思っている。あくまでも公式戦の学生出場枠に拘るのか、生涯続ける剣道にシフトするのか。規夫師匠はもっと大きな視点から後者を勧めてくれる。私も途絶えることのない一生の取り組みとして彼女たちに「道」に入ることを強く勧めてきたから、学校剣道に固執する気はない。しかし見方によると間違いなく権利でありチャンスである。さてどうする、JK剣士?とことん悩め。

 

 

ところで3月は、インテグラル・スナックがオープンする。アドレナリンが多めに分泌してきてる感じ。とうとうママとしてデビューするときが近付いてきた。「きもの装いコンテスト」留袖の部で入賞したとき、ロビーでうろうろしていたら見ず知らずのおじさんに「あの…玄人さんですか?」と訊かれたのだが、この内気で声の小さい私をつかまえていったいなんという問いかけであろうか?!勘違いも甚だしい。気が弱いので「失礼ね!」と言えなかったことが今もトラウマとなって心に刻まれており、ますます声が小さくなってしまう。しかしこの度は(マスターに使い回される身とは言え)お金をもらってお酒出すんだから、クロウトさんに違いなかろう。

カウンターの向こうに立つ者として、何を着たものか激しく悩んでいる。気合を入れるために買ったヒールを、今日は足慣らしのために履いてきた。履くと身長がプラス12㎝となるので、えーと181㎝?米子でこの靴で闊歩するとかなり異様である。家を出るときJK剣士が「ほんっと、うちのまわりは変人ばっかりだな」と言う。たぶん私のことではなかろう。ダメだよ、自分のことやご近所さんのことそんな風に言ったら。元気出して。

この度は、新人ママが内気なため完全予約制でお知り合い方のみのお席となるが、いったいなにを着て現れるのか皆様ドキドキしておられることだろう。今回かどうかはわかんないけど、一度は黒留で三絃ご披露しようかしらね。っていうか、内気だから使いものにならなくて一回でクビになったらどうしよう。あり得る。