蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№297 思っていることを聴いている小さな生きもの①

1週間ほど更新をお休みした。
理由は二つあり、1つは東京出張。長かった…。2つ目は、これまでの学びに疑問を覚え、そのことにして考えていた。
出張中に、学びの仲間と対話する機会に何度も恵まれたこともあって、自分自身の考えも整理されてきた。同じ思いを持っておられる同志が多くいることもわかって、スッキリとしたところだ。

さて、
厚生労働省統合医療」情報発信サイトというものがある。

そこでは、日本のヨーガ教師たちが協力して積み上げてきた症例を見ることができる。
 

 
 
「え?!こんなものまで」と思われるような疾患に対して、ヨーガは活用されている。

世に「ヨーガ・セラピスト(療法士)」という職業がある。
忘れないで頂きたいのは、ヨーガ療法の世界では、町の教室のことを「一般のヨガ」と呼び、完全に区別して考えているということ。
日本におけるヨーガ療法の水準はとても高く、世界トップクラスにあると言ってよい。

療法士は倫理規定に従って指導を行い、指導の土台にヴェーダ等の理論的な基礎を持っている。ヨーガの実習の禁忌に対する知識が明確であり、技術としてのヨーガ指導が行える。
 
しかしである。なぜヨーガで良くなっていくのかは、厳密には説明できない。

この世には末期がんから奇跡的に回復された方々がおられ、そういう方々が共通して行っていたことが9つあると言われるが、ではなぜ末期がんが寛解したかは、誰にも分らないのだ。
仮説は立てられる。事実はわからない。
 
 ならば私たちは、「こういう風にして効いたのではないか?」ということを考えつつ、ひとつずつ自分の身に健やかさを手繰り寄せていかねばならない。 
 
その「なぜ?」の答えの可能性の一つとして考えられるのが腸内の環境だ。
ここ数年は日本語でも腸内環境に関する良い書籍が手に取れるようになってきたので、既にご興味を持ってお読みになっておられる方も多いかと思う。
 
腸内環境は、健康と密接なかかわりがある。

微生物は腸管だけで100兆個存在し、海のサンゴ礁のように生態系をつくっている。そして腸と脳は、日々やり取りをしているというのだ、
 微生物はストレスの度合いや、脳から送られてくる満足・不安・怒りなどの情動を表すシグナルに聞き入ることができる。
 
ヨーガ実習でもなんでもいいのだが、何かに集中することが健康に対し大きな効果を生じさせることがある。
ということは、もしかすると、あなたはいつも何かを考えているのではないだろうか? 

実習修了後に「無になりました」という感想を述べられる方が多いのだが、無という状態にそうそう入れるものではないのではない。ではこれはいったい何のことかというと、「思考が浮かんでいませんでした」ということかと思われる。 
 
いつも頭の中でお喋りをしている。しゃべっているのは誰か?
私なのか、心なのか、それとも…

脳の中でも考えていることに応じて神経回路が育っていく、腸の中では微生物があなたの思考に聞き耳を立てている。 

集中を要する取り組みを通じて人が健康を取り戻すメカニズムは、この腸と脳に深い関りがあるようだ。