蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№866 LAX証明書事件

旅慣れたみなさん、海外旅行においてみなさまが「イヤやなあ」と思う場面はどこですか?

私は旅慣れた人でないが故に、入国審査はやっぱり嫌いっす。
この度は連れがいたので、私より英会話が堪能なこの連れに入国審査対応をしてもらったのですが、厳しい表情の審査官に「セドナなんて岩しかないじゃないか、こんな砂漠に6日間ずっといるのか?いったいなにをするんだ?!」と、私じゃなくて連れが問い詰められて、何も言われてない私の方が震え上がらんばかりだったのですが、後から聴くと「顔が笑っとったやんか、あれギャクだで」と言われたのでした。マジか... 

Yogaの尊い教えに「おまえが思ったように世界は見える」という至極当たり前の定番原理があって、野原に転がっている大きな木の切り株は、泥棒にはおまわりさんに見えるし、ラブラブな恋人同士にはイチャイチャするのに最適なベンチに見えるというものがありますが、まさにそれでございます。入国審査こわーい!と思っている私には「砂漠でなにするんや〜笑」というおもしろおかしいツッコミも糾弾の言葉に聞こえる。しかも自分はやり取りしてねえのに、ってなもんです。やれやれやで。

 

さて、この度の事件はLAX(ロサンゼルス国際空港)第3ターミナルで起こりました。

日本のコロナ対策ナメてたね、私。
あと、アメリカって国をナメてたね。
更に言うと、海外旅行=慣れ親しんだ国以外のところに行くということを完全にナメ切ってたね。

ワケあってワクチン接種をしていない私。以前から統合医療学会絡みで知り合いの、島根県松江市FクリニックのF先生に「ワケあって打てません」証明を発行してもらって渡航してます。

 

アメリカでなんども”Booster”っていう言葉を聞いたのですが、これって日本でも使われてるの?何しろ自分が打ってないからワクチン関連用語に疎い。3回目以降のコロナワクチン接種のことをこう呼ぶらしいですね。

 

ちなみにアメリカに入国する(渡米する飛行機に搭乗する)ためにはワクチン関連証明書の提示のみでOK。でも日本に入るにはBoosterを打った証明書か、陰性証明書がいるんです。これってホントに日本だけなの? 世界中の国を調べたワケじゃないけど、F先生曰く「日本だけ実験国になっとる」とのことでした。3回打ってないと証明書出させるよという縛りをつけたら、みんな3回目(Booster)を素直に打つのか?っていう実験らしい。うーん、この先はNoコメント。

 

出国72時間前以降の陰性証明って、何かを予定して渡米している人からすると微妙にめんどい。こういう言い方が良くないのは十分わかってるけど、なんていうか?絶妙な嫌がらせ感がある。「ほら、イヤやろ?めんどいやろ?Booster打ったがええんちゃいますか?」的な。
あと日本という国が決めた検査方法とかフォーマットを満たす必要があって、このお役所仕事対応もめんどい。経験上、公務員の事務的マインドが理解できるだけに余計めんどく感じる。

それでね、もちろん陰性証明書をゲットするために検査を受けました。ドラッグストアのドライブスルーで120ドルくらいかけて。高くない?!高いよね!場所によってはタダでもできるのにさ〜。でもしょうがない。帰国する必要経費と必要なアクションです。

事件はこの後起きました。48時間以内には結果がSMSで届くとのことで、約1日で届いた。それはよかった、予想より早いやん! 

ところが結果にアクセスできない。
「サーバーにアクセスできません」と表示される。なんで?!

私のIT能力の低さを知っている皆さんは「ツボイ、アホやな〜」と思ったでしょうが、これが私一人じゃなかったワケです。一緒に帰ろうとしていた非Booster接種の3人が3人とも、結果を見ることができなかった。そして何が起こったでしょうか?

 

搭乗を拒否されました。

まさかここまでのこととは!!
(甘い)

私はLAXの人混みの中でマジ泣きした。こりすチックにうえ〜ん!!!って感じで。
もう一人の方(男性)は半日早い帰国便で深夜に同じ事態に遭い、自らの甘さに腹が立って男泣きに泣いたって言ってた。

 

ちなみに先月渡米した時には、米国での搭乗時手続き時に証明書の提示を求められなかった(乗り継ぎのカウンターでチラッとデータを見せただけ)。日本帰国時に”Visit Japan Web”というアプリを使って入国審査の準備をするんだけど、それ自体も何となく12月と違っている。入国審査の流れも違っている。こんなに日々変化してんの?!

 

LAXのDELTA航空カウンターで、日本人の女性スタッフが言ってくれた。
「簡単に諦めないで、そのドラッグストア(全米チェーンのアレ)に行って検査代金返金&ホテル代補償させろ!!!」とハッパかけてくれた。あの言葉はニホンジンの私には最大限の慰めでしたが、リアルにあれこれ助けてくれた友人たちから「かよちゃん諦めなさい」と言われて、諦めた。

 

諦めた結果、スーパーマーケットのそばにあるマリオット系列のホテルまで送ってもらって、その晩に約35000円くらいかけて30分で結果が出て紙媒体で証明書をくれるところで検査を受けた。3人揃って。その後ホテルに戻って、カリフォルニアロールと日本ではそんなのない超巨大な缶のコロナビールを飲んだ。連れのPCで映画(カジノロワイヤル)を見て、若いダニエル・クレイグに癒されつつ(素敵な大胸筋)、昂った神経を鎮めた。

 

思えば私、ウクライナキエフ)やフィンランドヘルシンキ)などにも行ったことあるんだけど、常に旅慣れた人が複数人一緒だった。だから今回こんな体験を初めてしました。コロナとかサーバーとか、そういうことじゃなくって心構えの問題だと思い、絶対者の与えてくれた経験に深く首を垂れて、最大限の学びを得ようとしているところであります。ただで起きるな!カヨコ!

 

でもすごくよかったことがあった。
トラブルがあると人が助けてくれる。人と人が仲良くなる。今回のことで感じた友達の愛情は決して吊り橋効果とかじゃないと思う。このことはものすごく嬉しかった。大変だったけどアメリカを嫌いにならないで、また来てねって言ってもらって、今も思い出すと涙が滲むよ。

ありがとう!みんなに心からの深い感謝を。
絶対また行くよ!