蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№673 お歳はいくつ?

わが歓喜告ぐべきひとと帆を繰りし日は暮れ初めつ青潮のうへ   春日井健

 

 

 

 

5月27日
JK剣士が帰ってきて賑やかである。
一人で渡航してエライねえという声が聞かれるが、うーんそれはどうやろかねえ。なにしろ往復の便はすべて全日空キャビンアテンダントはみんな日本人だそうな。着いたらマスターマリコが迎えてくれて、昨日も保安検査場前まで長女ぶーちーが見送ってくれて、米子空港の到着ロビーではハハが待ち構えていた。手厚いお世話をお手伝いくださった関係各位に深くお礼申し上げます…

今回は、出発時の成田で保安検査場を通過しLAXでマリコさんに会うまでと、マリコさんに見送られてLAXで保安検査場に入り、帰国時の羽田で入国審査を終えるまでがJK剣士にとってのほんとのひとり旅だったね。まあでもそれでいいよね、初めてだしね。

 


さてハハは昨日、とある美女とバーMarujinへ出向いた。ほんとは美女二人?でしっぽり艶めいた話を聴かせて頂くつもりだったのに、店にはH先生がいた。この店の常連でいつも好き勝手に楽しんでおられるお医者さんである。バッグには癌細胞が挟まれたプレパラートが入っている。

この店ではみなさんご存じのとおり長女ぶーちーがバイトしていたので、私は「ぶーちーのママ」として知られ、そう呼ばれるようになってしまった。キッツいショートカクテルを飲みながら「おかあさん」と呼ばれるのは不思議な気分である。H先生にはもちろん長女ぶーちーも可愛がって頂いて、かの白バラ牛乳を模したバッグが発売された時にはこのレアアイテム(当時)をプレゼントされていた。先生とおそろいである。しかも先生はそのバッグをちゃんと斜め掛けにして、バーにおいでになっていた。中を開けて見せてくれたのだが、ホンモノの白バラ牛乳200mlの空きパックが収められていた。実に芸が細かい。見た目と違って繊細な方なのが伝わる。私と一緒ね。

で、私はなぜか知らんがこのH先生に大変気に入られているらしいのである。H先生のお友達のガクソウさん(額縁屋さんだから。まんまだね)にも「先生の好きそうなヒトだね」と言われたことがあった。なんでやろうか? 

昨日のH先生はやたらとご機嫌で(私がご一緒していた美女が可愛かったからに違いなかろう)、お手製の名刺を彼女に渡そうとされるのだが、この「お手製」のレベルがこれまたすごいのである。「ちょっと先生、これハサミで切ったんでしょ?!」と思わずツッコんでしまうくらい、長崎弁でいうところの「よんがひんご」状態、各辺が激しく斜めになっていて四角ですらないのである。しかもモノによっては肝心な肩書の部分がはみ出して謎かけのようになっている。先生はそれを迷いなく人に渡しちゃうのである。当然私はこの「肩書意味不明」の名刺を頂戴しておいた。「やっぱりこれがいちばんなんじゃない?」とか言っちゃうから気に入られるのであろうか。

さてこの日、H先生が飲んでいたのは山崎の12年!山崎の12年だよ?!
一回飲んでみたいけど最近なかなか手に入らないらしくお店に無いから出せないんだよね、と言われていた私にとってマボロシウイスキーある。もちろん私は黙っておかない。「いいなあ、12年かあ」と言ったら飲ませてくれた。Marujinお約束のバカラのグラスで、ロックで。美味しかったなあ!
中国人が買い占めてしまって品薄状態が続いていた国産ウイスキーも少しずつ流通しだしているらしい。うれしいことである。昨日は他に白州を頂戴したが、既に酔っぱらっていたので何年ものかは覚えていません、すみません。


昨夜ほかにおいでになった常連さんは京都からお仕事でお越しの方。もちろん長女ぶーちーのこともご存じ。書画骨董をお取り扱いの方とのことで、ここでこんなにベロンベロンに酔っぱらいながら、即中斎宗匠や而妙斎宗匠のお軸のお話をさせて頂けるとは思ってもみなかった。バーMarujinの実力おそるべしである。


昨日いちばんビックリしたのは、H先生の年齢だった。「先生、年なんぼなの?」と伺って返ってきた答えが聖地田端におられるリーダーの一つ下だったから、一瞬でそれまで飲んだ分の酔いが醒める気がした(気がしただけ)。なにしろ毎朝日清焼きそば(袋めん)を朝食として食されるこの先生の、医者の不養生を地で行く外見。O先生とふたりして思わず「カッコいいよね~」とコソコソ話をしてしまううちのリーダーより年下だとは誰も思うまい。常々私が提唱している「45歳以降の肉体年齢は暦年齢と決して比例しない」説がここでまたもや立証された。

よろしいですか、みなさん。肉体年齢は自分で決めればよいのです。伝統的Yogaの智慧を最大限活用して、「歳なんぼ?」と聞かれてそれに答えることで周囲に衝撃を与え、聞いたその方本人の生き方を反省させるような粗雑体の状態を維持していこうではありませんか。カギは45歳以降の取り組み。ちょっとの工夫で驚くほど大きな差が出ます、マジで。何歳からでも遅くはありません!諦めたら終わり、暦年齢を言い訳にしたとたん負けです。レッツトライ、若返り。


昨晩店を出たのは1時だった。今朝「いやー、昨日は飲み過ぎたなあ」とこぼしていたら、すかさずJK剣士から「昨夜は『そんなに飲んでないもん!』って言ってたけど」とツッコまれた。なぜ人は酔っ払うと「ぜんぜん飲んでないもん」と言いたくなるのだろうか。そしてなぜ冷凍庫にチョコモナカが入っていて、板チョコアイスのゴミが棄ててあったのだろうか。ツボイ先生ぜんぜんわかんない。