蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№767 君に釘付けだよ

10月11日

JK剣士は足裏が痛むらしいが元気だった。二匹の猫もご機嫌さんである。よかったよかった。

足裏が痛むのは、稽古時間が増えてきて一度消えてしまった足の裏の(皮膚の)頑丈さが取り戻されつつあるプロセス。いつの間にやら厚くなった足裏の皮膚が、稽古できなくなって元に戻って、今また厚くなりつつわけで、人間の心身はぼんやりしてるとすぐにへなちょこに戻っちゃうことの証明である。

この足裏の皮膚を放置しておくと出血の惨事になるので、ある程度のところで自分で引き剥がす。ひっぺがすとそこにはやわな皮膚がひっそり佇んでいるので、これをまた稽古で痛めつける。これを繰り返すと頑丈だけどしなやかな足の裏になるらしい。

負荷は大事、しかしケアも大事。

ギリギリのところで出血を避けつつも自分を甘やかなさい。でもちゃんと手はかける。
うーん、いい話だなあ!私もJK剣士の足の裏(の皮膚)のような、しなやかな人になりたい。


上京中に地震を経験したこりす的ハートを持つ臆病なハハに、「大丈夫だった?」と声をかけてくれる心優しいJK剣士。そういえば2016年10月21日14時7分ごろに「鳥取中部地震」という大地震があったんだった、という思い出話も出た。

倉吉市という県中央部にある町を中心に、最大震度M6.6を記録した。その時ここ(米子)がどれだけ揺れたのか、自分がどこで何をしていたのかまったく記憶がない… ちなみに当時小学生だったJK剣士は、走っていて揺れにまったく気がつかなかったらしい。もちろん大怪我をした人もいなかったと記憶している。良いことである。


帰宅時のお約束として、上京中にやらかしたアホなことをあれこれ報告するのだが、マティーニ呑んで酔っ払っちゃってさーということを伝えた時、「なんですと?!」という目つきでハハをキッと見据えるJK剣士。

曰く、「ママ。マティーニはね、ボンドが眠れない夜に飲む酒なんだよ?」

またもや教養のなさが露呈してしまった。
眠れない夜がない私が、女王陛下の007、かのジェームス・ボンドが眠れない夜に飲む酒を飲んでしまったとは。ちなみにそんな夜、ボンドはマティーニを12杯呑むそうである。うーむ、ちょっと試してみたい。

そんなハハの教養のなさを埋めるために、昨日は二人でボンドを見た。「スペクター」という作品である。素敵なドレスを着て顕れた女性に対して、スッと立ち上がり「君に目が釘付けだよ」とスマートに述べるボンド。

アイヤー!母さんもこんなこと言われてみたい~!
と口走ったら、DVDを一時停止してまたもや私を見つめ「そういうことを言ってくれる紳士の、あてはあるわけ?」と問われた。

これは実存的な問いである。私のこれまでの生き方を問うてくる、007&JK剣士。