蓮は泥中より発す

心身一如に生きるヨーガ教師の日記

№668 叱られたい?

江東区をはじめて地図で見たときのよう このひとを護らなくては  雪舟えま
 
 
 
 
5月21日
帰路に就く前にこどもたちが部屋にきてくれた。JK剣士とした別れのハグが熱すぎてちょっと嫌がられた。ぶーちーはシャイガールなのでこれまであまりハグをさせてくれなかったのだが、最近おねえさんになってサービスがいい。ギュッとしたとき細くてビビった(JK剣士の胸板と比べたら)。それで「細いなあ!」と思わず言ったらすごく喜んでいた。ハハと同じく乙女である。 先日ぶーちーと会ったとき指輪をしていたので「ももも、もしかして!」と(親のクセに)浮いた話を期待したのだが、深層は闇のなかである。闇のなかであってほしい。なーんにもないんじゃ寂しいでしょう。ハハもJK剣士のススメに従って007のような紳士とお親しくさせてもらわねばならぬし、ぶーちーも東京で恋のハナくらい咲かせてもらいたい。勉強は多角的に行って欲しいものである。インテグラルでなければならんのだよ。
 
 
さてハハはめっきり温和になって、出発準備が全然できてなくてしっちゃかめっちゃかの室内にやってきたJK剣士から「ぜんぜんダメやん」と呆れられた。ハッキリ言うのでハハの繊細な心が傷付く。もっと包んで言って欲しいわ…「そうやね、帰りたくないんやね」とかさ。

先日、御徒町で秘密の美女に伺ったところによると、昨今の企業研修では「叱ってもらう」ための研修があるそうじゃないですか。ただし人格否定はNGとのこと。そりゃそうです、もちろんです。でもこの話を聴いたとき自分のなかの何かがパッと反応した。「叱る」ことに関して私はなかなかなのよ。経験も豊富なのよ? 決してそんな風には見えないでしょうけれど、ええ。

なんでも「近頃の若いモンは」叱られなれてないんだそうだ。へー!みんなどんな平和な地に生きてきたんだろう?親御さんは人格者? その点で言うとうちの子たちはイケてる。間違いない。だって私かなりひどかった。なにしろ現役〇衛官、かつ教育隊の教官経験者。しかも私自身も「バカ・死ね」洗礼を受けながら社会人人生を始めたからなあ。このワードで怒鳴られても「えへへ」って笑って聞けるよ。なんでも慣れなんだって。
 
19歳で某国営企業岐阜県某市の支店に配属された時、10数名の小グループでお父さんみたいな存在の人が熊本出身だった。九州の人はフツーに会話してても「なんで怒ってんの?!」と思われてることがある。ぜんぜん怒ってないのによ? このひとは新人の私たちがアホなことをしでかすと熊本弁で「おまえらくらわすっぞ!」と大きな声で喝を入れるのだが、このときの新人三名はみなが九州出身(博多・飯塚・長崎)だったので、それを聞いたら三人が三人ともブーっ!と吹き出してしまっていた。「くらわすぞやらいいよらすばい=九州北部弁同時通訳:まあこの方は「叩いたろか」なんて冗談を仰ってますわ、ほほほ」てなもんである。かつてこの言葉を言われた本州出身の方々は超ビビッていたのに、今度のやつらは笑っちゃうのでお父さん役の上司は「どげんしょもなか=同時通訳:なかなか見どころのある若者でないか、ははは」と苦笑していた。

くらわすっぞ!というのは直訳すると「ぶん殴るぞ」というような意味だが、マジでぶん殴ろうとしてるヤツはこんなことは言わずに黙って“くらわして”くるのであって、くらわすっぞとわざわざ言うってことは冗談バイということを、九州北部出身者は空気で理解しているのだった。なので「くらわすっぞとかいいよっぱい笑」という感じでウケちゃうのであった。相手が悪かったのだね。

九州弁いいよね。なんていうか、おこっとってもおこっとらんごたかんじのするもんね。 我が娘たちも九州で生まれ育っておれば「なんばしょっとね?!」という感じのソフトなお叱りを受けられたであろうに、全国津々浦々から女子が集う教育隊でガツン!と指導をしようと思ったら決して訛っていてはいけないことを、このお父さん的上司から学んでいた私は、ちゃんと標準語で人を𠮟れるようになっちゃったよね。
 
叱るコツってあると思う。叱ってはいいけど怒ってはゼッタイにダメなのである。怒っちゃう人は「叱る人失格」即退場。そして流すこと。これを「お叱りはその場限りの法則」と言います。「二度とするな!」みたいな叱り方はしなくていいと思うわけよ。いやほら人間アホだから何度も同じ間違いしますよ、少しずつバージョン変えて。当たり前なんだって。人の成長は螺旋状で高度を変えつつ同じところグルグル回るんやから、しょんなかっちゃけん(=仕様がないのですよ)。 流す、というのは𠮟りはしてもご機嫌を悪くしないで、次のシーンでは普通にお相手を遇するということである。サラッとね。

人を叱るのって絶大なエネルギーがいる。だって口先だけじゃ相手にバレちゃうし。
先日JK剣士と仁義なき戦いをしたわけだが、この子はマジで引きませんよ。さすが剣士、さすが元代表of鳥取県。すかす、かわす、ということもしない。ハハはJK剣士と鍔迫り合いをしているような気持ちになった。大人げない捨て台詞(おまえのかーちゃんでーべーそ!もうあそんでやんない!)を吐き捨てて私は自分の部屋に帰ったが、あれが延長アリ・時間無制限、勝負決するまでとかだったらハハの方が「参りました…」といって1本取られて勝負アリになっていた気がする。だからハハが最近叱らなくなったのは、子供の方がエネルギー増大してきてるからというそれだけなのかもしんない。


しかしこの「お叱り能力」もったいなくないかな? だれかさー「うちの社員叱ってください」みたいな仕事くれないかな。もしくは「僕を叱ってください」というのも受けよう。「なんばしょっとか!」って叱って、Asanaして自律神経調えて、リラクゼーションでアルファ波出して、最後は「よかよか、よかっちゃけん。そいでよかと(=あなたはあるがままで尊いんだからだいじょうぶだよ)」とハグしたら、このダイナミクスの幅感で洗脳できちゃうよね。

そんな気がしないですか?しない?あらそう、残念。