蓮は泥中より発す

心身一如に生きるヨーガ教師の日記

№648 ごめんね、師匠

言えなくてペンギンのように哀しくてひこうき雲をひとり見ていた  干場しおり

 

 

 

5月1日
5月になった。薫風薫る5月。
と思っていい気分だったのだが、先程Zoomセッション中に地震があった。慣れない場所で遭遇する地震はすごく心細くなるよね…すぐに長女ぶーちーから安否確認がきた。ありがとう、ぶーちー!

ということで昨日夕方、無事上京致しました。今回は五反田に返り咲いたよ。ぶーちーの大学からも彼女の脚なら徒歩10分といったところ。いやー、実に便利です。成城石井も規模はともかくちゃんとある。開いているか開いてないかはともかくとしてお店もいっぱいある。ほんとうはまた泉岳寺にいるはずだったのだが先様の都合ですったもんだしたせいかキッチン付きのお部屋になっていた。グレードアップである。朝日も差し込む。すごく嬉しい。

前回、アボカドや豆腐が食べたいのにさすがに醤油まで買えない…(醤油をはじめとする調味料に対するこだわりが強いので、うっかり買えない)と思って涙をのんだので、わざわざ保冷袋にマイ味噌を入れて持参した。アボカドを切るためにナイフまでもってきたのにちゃんと部屋に包丁があった。ありがたや。やっぱりほら、食は基本ですからね。しかしミルどころか味噌まで…。我ながらめんどくさい。ヤレヤレ。


さて昨日は日本のへそに出かけ、旧知の方と親しくお言葉を交わしてきた。この春御年70歳におなりになったとのこと、ますますお元気。なんだかんだで某県で一番古いサロンになったとのことで、創業38年って凄いなぁ。

ここで私がいったいなにをしたかまあ置いておくとして、施術をして下さった25歳のお嬢さんは親子2代でここで働くエスティシャン。そういえばその名字に聞き覚えがあると思ったら、私の記憶にあるのはお母様だったということか。ただお母様はもう引退している。

実のところこういったサロンは、女性の悩みやコンプレックスに向き合う最前線だと思う。病院より敷居が低いが、美容院よりは高い。そしてより「こうじゃなかったらいいのに」という部分に向き合う度合いが強い。しかもここに足を踏み入れるからには「こうなったらいいのに」という思いもあるはず(病院の場合、「何とかしてください」が優先で、「こうなりたい」というビジョンは明確でない気がする)。

「こうなったらいいのに」に向き合うのに「めんどくてやりたくないこと」に直面してもらう必要があるのだが、それをさせられるひとってなかなかいない。
施術してくれた方に伺うと、かつて私が見知っていた方々は皆引退(退職)してしまって、今でも働いているとか、のれん分けしてもらって自分でサロンをしているような方は皆無だそうである。お客様の心理的葛藤に直面するのが大変なんじゃないかと推察する。

人の悩みに向き合うことになるだろうし、いろいろ難しいことが多いでしょう、とお尋ねすると「そうなんです!わかってもらえますか?!」と言っておられた。入社して修行しても辞めてしまう方が多いらしい。美容師さんもYoga教師も淘汰率が高いが、エステ業界もやっぱりそうなんだね。

人は「なにか」をしてその「なにか」だけを求めていることは、まずもってないよね。
その「なにか」を通して「別のなにか」を探していて、自分でも何を探しているのかがわかっていないことが多い。Yogaを教えていてもそのことをいつも感じる。

あなたが探しているもの、求めてやまないものはきっとこれだと思うよ?という仮説をもって、その方のまえに立ち、答えをそのまま提示するのではなく「こっちだよー」と一緒に道を歩むような感じと表現したらしっくりくるだろうか?

ただYogaの場合は(少なくとも伝統的Yogaの場合は)取り組む方自身がその答えにかなり近いところまで迫っており、見たくなかったものと向き合ってもいいという準備が内々に整っているような気がする。ところが美容の世界では、その“向き合いたい”と心の奥底では知っているものとのは乖離が起きているような気がするのだ。かつての自分のことを想っても。


今日、オンラインセッションで、すごく細かい動きが生む、とても大きな効果について対話をさせてもらった。その方がご覧になったYouTube動画のはなしから、Yogaでスークシュマ・ヴィヤヤーマと呼ぶ細かい動きはいったいどんな変化を呼び起こしてくれるのかについてはなしは膨らんでいき、足指や眼球を用いた微細な動きが実は大きな変化を引き起こす起爆剤になり得ることについて語った。これはあまりにもつまらない動作で、そんな変化が期待できる魅力的なものと思えないところに難があるけれども、騙されたと思ってやってみると、間違いなく、いい意味で騙されることになる。

だから地味な取り組みをバカにしたらいけない。ほんとはエステ業界を利用する方にもそれがいちばん大事なことで、いつかは必ずそこに向き合わないといけないということを、昨日お目にかかった先生はわかり抜いておられると思う。


あれ?今日ずいぶんカタいな。

すいません、たぶんせっかく敬愛する規夫師匠とお会いしたのに、ご一緒にビールも飲めなかったからだと思います。テンション下げ下げです。
同席なさった某社長に「隠れてビール出してくれる店ないんですか?!」と無茶ぶりを発揮する規夫師匠に、改めて激しい師弟愛を感じてしまいました。弟子として、アルコールの含まれた麦茶が提供されるお店を探しておくことくらいしなくてはならなかったと猛省しております。ごめんね、師匠…おゆるしください…