蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№613 すなおなカラダ

みづみづしき相聞の歌など持たず疲れしときは君に椅りゆく  石川不二子

 

 

 

3月27日
お茶仲間の某氏と久々にお会いし、亡きおにいちゃんに献杯した。おにいちゃんがどこまでも目の前のひとに寄り添おうとしてきたことのエピソードのひとつに、また触れさせてもらった。そのときとても感激して、涙が止まらなかったって。

 

ちょっとマジメな話。
私の母はかなりキッツイ性格のひとで、国営企業に就職して寮に暮しているときにもなにやら怒って電話してくることがちょくちょくあった。そのトラウマで私はかつて電話が大きらいだった。「電話=怒られる」という図式が私の心素のなかにガッチリ出来上がっていて、電話の鳴る音を聞くとパブロフの犬のように「イヤだー」と即座に思う脊髄反射が構築されていた。こういうの、なんとなく共感してくれる人がたくさんいると思うよ。

おにいちゃんは私によく電話してきてた。たぶん脳内の回転が速すぎて、メッセージを入力する手に対する意思鞘の働きにイラッ!としたんだろう。おにいちゃんからかかってきた電話に出る私は「なんか悪いことした?」って必ず聞いていたらしい。完全に無意識で。

あるとき「ねえねえ、なんでいつもそう言うの?」と聞かれて初めて、私という存在のなかの【電話-怒ってる人―怒られる私】という図式が意識の光の下にパーッと現れたというわけ。ちなみにおにいちゃんのおかあさんは我が家以上に激しい感じだったらしいから、そういう点で私たちは間違いなく深い共感の下にあった。

その電話恐怖症から解放されるのにずいぶん時間はかかったけれど、今はぜんぜん怖くない。近頃いちばんよく電話で話す人との対話は楽しくてたまらないので、ウキウキいそいそして「はいはーい!」と受けることができる。だいじょうぶ、人はちゃんと変われるよ。

 

 

そう、それで偲ぶ会だったんです。しげにいちゃんが気に入っていためちゃレトロな居酒屋・味小屋さんでイワシフライと名物だんだんどうふを食べ、お約束のMarujinに移動。しげにいちゃんへの献杯はこれと決まっているマンハッタン、長女ぶーちーが好きなジントニックを頂戴した。

昨日お相伴させて頂いた方曰く、ツボイさんのような強い女性は商売をしている家のお嫁さんには最高だよね!とのこと。ふーん、そうなんだ。でもこの森の子リス的な私をつかまえて「強い女性」とはナニゴトですか。お茶の仲間なので、大寄せの茶会の際などに無いアタマを振り絞って師匠のお役に立とうと必死に立ち働いている様子を見て、かようにご評価くださったのかもしれないが、もうちょっと私の繊細さをお点前の姿などから汲み取ってくれてもよろしいんじゃなくて?茶杓から手を放すときも「この愛しい人の手を放しがたい」というように心込めて動作をしているのに強いとかっていうその形容詞はいかがなものかしらね。
(*利休百首その8:何にても道具扱ふたびごとに 取る手は軽く置く手重かれ)

 

 

さて、本日数カ月ぶりのリアルセッションとなった某ハム会社のYoga同好会。
会場は平成25年全国植樹祭inとっとりの際に天皇皇后両陛下のご休憩所としても使われた南部町のまんてんホール。っていっても、私は毎週のように使ってるのだが。空調も照明も音響もなかなかのもので、とても秀逸な会場。しかも使用料はまさかの無料!なぜならば、K山さんが南部町民だから。すごいよね、南部町。

すこしステージの部分が高くなっているのでご指導もしやすいのだが、初めてここに来たJ子さんが私を見てすごくウケている。なにゆえ?

「センセイ、寄席みたい!」
ここは高座ってこと?そんなことはじめて言われた…。別に面白いハナシしないから。


さて無事に久々のリアルセッションを終えたあとの皆様のお声は、「オンライン、便利だとおもっとったけど、やっぱリアルなもんだわ…(米子弁同時通訳:オンラインセッションは実に便利だと思ってきましたが、やはりセンセイは生に限りますね)」とのこと。そりゃそーだよ。でもしょうがないよね。

 

 

帰り際に皆様にご挨拶申し上げるとここでまたJ子さんが「センセイ、やせた?!」と仰る。ええ、そうなんです。よくぞ言ってくださいました。
なんと服のサイズが1つ下がった。大きな声では言わないが服の下に着る衣類のサイズも下がった。でも出るべきところは出て、上がるべきところは上がった。この事実が判明したとき私はすぐにOセンセイにメッセージをして、その痒いところに手を届かせちゃう手厚いご指導に対しお礼を申し上げた。Yoga教師の意識化レベルをさらに上げる男・Oセンセイ。こんな理学療法士さん、なかなかいないでしょ?!


大きな動きのAsanaよりも粗雑体に対する影響が大なもの。
それはズバリ、姿勢維持における微細な意識化。

現在、通常のAsanaの頻度を最低限に減らし、日常生活の中での姿勢に対する着意を最大限に高めているところ。そしてからだの部分にある小さな“クセ”の矯正に努めている。例えば可憐なこの腕でテッポウを振り回していたために内旋してしまっている右肩関節のために、鍼や柔道整復も活用中。この肩のクセに真摯に向き合うことで、若い頃からコンプレックスだった肋骨の位置なども変化していっている。その結果としてのサイズダウンであって、この度は食べることなどは一切かかわりがない。

いやー、粗雑体ってホントに素直ないいこですね。もっとかわいがってあげないと。