蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№541 感情って大変

汝に照らされて見つける吾のうすあおい卵の殻のようなもの   小林久美子
 
 
 
1月13日

昨夜ブログの下書きを終え、さて三絃の稽古でも…と思っていたら子供二人が乱入してきた。JK剣士なんて、iPhoneでブルーノマーズを大きな音でかけながら。
かまわずに「御代の祝い」を弾き出したら、この曲を既に稽古している長女は一緒に歌いだすし、JK剣士に至ってはYouTube上智大学の学生さんが弾いている動画をひっぱり出して流す。負けずにその動画に合わせて弾いてみせた。学生さんには負けらんないでしょ。

しばらく後、「よくがんばりました!」といって二人は去っていった。「ブルーノマーズに合わせられればもっと凄かった」と捨て台詞を残して。
いったいなんだったんだ? 母さんはこうやっていつも遊ばれている。

 

 

さて、感情を22種類に分類した人がいるそうですね。
引用元がいわゆるスピ系のものなのが少々引っかかるが、食わず嫌いはよしてちょっとみてみよう。

 

【感情の22段階】

1.喜び/智/溢れる活力/自由/愛/感謝
2.情熱
3.興奮/没頭/幸福感
4.ポジティブな期待/信念
5.楽観
6.希望
7.満足
8.退屈
9.悲観
10.フラストレーション/イライラ/我慢
11.圧迫感
12.落胆
13.疑念
14.心配
15.自責
16.挫折感
17.怒り
18.復讐心
19.憎しみ/激怒
20.嫉妬
21.不安(身の危険)/罪の意識/無価値
22.恐怖/悲嘆/憂鬱/絶望/無能

  

ふんふん、どうやら7と8のあいだには、深くて速い川が流れているようだね。また16と17の間も少し異なった感じがある。こういう分類に関しては、他にも多くの方の多くの意見があるのかもしれない。

ついでに、POMS2も見てみよう。
POMSというのは”Profile of Mood States”の略で「感情プロフィールチェック」のこと。ヨーガ療法士もこういった尺度を使って、クライエントさんのアセスメントをしているんです。他にもYG性格検査やSTAI(状態ー特性不安検査. State-Trait Anxiety Inventory)なども用いる。ま、あくまでも参考程度で、一番肝心なところはVeda聖典の観方に従います。


【POMS2 気分尺度】

1.怒り―敵意

2.混乱―当惑

3.抑うつ―落ち込み

4.疲労―無気力

5.緊張―不安

6.活気―活力

7.友好


今日はこれらを分析することは目的ではないので、「ふーん」と思っていて頂ければよい。人の病気は内的な要因により呼吸が乱れることで生じると、ヨーガ・スートラでは言っている。呼吸は心の窓だからあなたの呼吸が乱れるのは、そもそも「自分が何を考えているかによる」という視点を引き受ける(採用する)か否かで、人生がずいぶんと変わってしまう。

Yogaに縁を持つ者なら、ここに断固ハラを決めて頂きたい。
もしくは「えー、ヨガってけっこうめんどくさー」と思って決して踏み込まないことである。でもこれも自分では選べないんですよ。いつも言っている通りご指名権者は絶対者ブラフマンであるから、その意図が発動したらあなたにそもそも拒否権はないのである。残念でした、大変お気の毒様です。

 

 

さて、上記分類を見て、(現在病的に苦しい状態にある方を除いて)なんとなく毎日無意識に浮かんでくる「雑念」の割合が、いったいどこに重心があるのか考えて頂きたい。適切にヨーガ(療法的)実習を継続していると雑念はいずれ浮かばなくなっていくものだが、これも段階的にしか生じないことなのでそこはいったんパスしよう。

 

自分がいつも抱きがちな感情と身体に起きる症状もリンクしていく。これは漢方の五行論に基づく考え方だけれども、なかなか示唆深くて役に立つ。

肝―怒り

心―喜び

脾―思(考えること)

肺―悲しみ

腎―怖れ

 

ちなみに、各臓器には開口部があるので、肝は眼に、腎は耳に開くといわれていて、怒りがちな人は眼に、ついビクビクして物事を決断できないときは耳に変化が生じるといわれている。こういう点から自分自身の理解を深めていくと、ほんとうに身体が饒舌であって常にサインを送ってくれていることがわかる。ちなみに私はただのYogaの先生だけれども、自分を見つめる過程でこういうことも体験的に教わってきた。だから生徒さんのために使えるものはなんでも使いたい。

もらえるのはヒントだけで、後は自分で自分を感じて調べ抜くしかないから。
ヒントはたくさんあった方がいい。
そして、誰も答えはくれない。絶対に。

 

 

可能ならば「喜び/智/溢れる活力/自由/愛/感謝」という感情(POMS分類だったら「活気-活力、友好」)にいつも自分をセットアップしていきたい。一般の方にとっての瞑想の効能は、実はここに在るんじゃないかなと言うのが私の持論。

ヨーガ実習後、心身に対するアプローチが適切に行われた場合は、非常に充たされた安心感が身の内に溢れ、同時に肉体が「楽」になる。この感覚をいつでもどこでも再現できるようにしたい。それができれば、たぶん色んなことが楽になっていく。

これが自分ひとりでできるようになって欲しいと思う。もちろん誰でも時々ブレるから、実習にも稽古にも修行にも学びにも終わりってない。

今日、いったんセッションを終えた方からSOS?が届いた。
その詳細な文章を拝見すると、ものごとが動き始めてしまったからこそのダイナミクスを感じる。この人はもう見込まれちゃった方なんだ。だからこれからもときどき一緒に対話をして新しい世界を見ていきたい。

 

今私が教えられるのは、時間をかけて、あなたは愛されていて安心していいんだという感覚を取り戻してもらうこと。そして毎日を「だいじょうぶなんだ」と思って生きてもらうこと。