蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№537 This one‘s for you.

ああ斧のようにあなたを抱きたいよ 夕焼け、盲、ひかりを掻いて  大森静佳
  
 
 
1月9日
今年初めての C.T.Smith “Festival Variations” を聴きながらこれを書いている。
アメリカ空軍軍楽隊委嘱による作曲、非常に難度の高いホルンのパッセージが有名。お気に入りの動画はN響の演奏、指揮は現田茂夫。当然ながら各楽器のソロの質もずば抜けて高い。
…とかそんなことどうでもよくて。 

「あああ!現田さぁん(ここハートマークで)!! 今年もよろしく!」

YouTubeに向かって叫んでいた。 子供たちが呆れて見ている。
現田茂夫、指揮者界のキムタク。
基本クールなのに、美しいカデンツァに浮かべる満足げな笑み。足腰がヘナヘナになる。 4:28、ここのことよ!↓

C.T.Smith: Festival Variations - YouTube

 


規夫師匠にも、上野でデート?しながら「私、現田茂夫が好きなんです…」とカミングアウトしちゃったことがある。ま、あんまりご興味なさそうだったけど。
生現田を見るときには、サントリーホールがいい。バンドは東京佼成がいい。規夫師匠お気に入りのバンド背後に位置する席で、現田さんを正面から穴が開くほどじっと見つめたい。そのときはちゃんと心のなかで叫ぶから!


人間を生かすのは絶対者ブラフマン、人間を前に前にと向かわせるのはイメージのちから。ということで、自分のためにイメージと情熱を喚起するべくスライドショーを作っている私。時々見て、どこに向かいたいのかの焦点合わせをしている(もちろん時々修正する)。そのときのBGMと決めているのが先述の曲。
聴けば、燃える。思わず踊っちゃう。
「燃えちゃうからやめて」とJK剣士もいうくらい。アドレナリンがドッと出て、終わった途端に「もう一杯!!」と言いたくなる。優れた演奏がいくつもYouTubeにアップされているけれど、本歌の米空軍音楽隊(疾走感スゴイ、さすが空軍)、精華女子(若さが醸し出す香気、そして勢い)、そしてN響(現田最高)、どれも個性があって素晴らしい。ぜひ一度聴いてみてください。


さて、本日はお茶の稽古始だった。
こんなご時世なので初釜は中止。でも、お道具組がほぼ初釜と同等という有り得ない豪華なお稽古だった。

以下、あんまり興味ない人はワープどうぞ ↓ 
お床には即中斎宗匠筆「鶴舞千歳松」のお軸、新年お約束の盆石と結び柳。紹鴎棚に、茶器は永楽さん、偕楽園、紫交趾。濃茶入は尋牛斎宗匠の花押入り。先生のために特にお造り下さったという、松江・楽山窯の数印茶碗。お菓子は特別誂えの薯蕷、もちろん彩雲堂さん製。 ←はいここまで。

いやいや、こんなお道具でお点前って、手が震えるよ?!
初釜っていうのは、師匠がお手ずからお茶を私共弟子にお点て下さる年に一度の貴重な機会。残念ながら今年は頂けないけれど、当たり前の稽古がこうしてできるということ、そしていつも拝見するものが今年も拝見できたということこそが喜び。
お師匠様、今年もどうぞ私たちをお導き下さい。毎瞬新しい心で、なにげないきほんの稽古のなかにこそもっとも尊いものが見出せるよう、精進致します。
 
 

JK剣士からサンタさん宛ての手紙を言付かった。プレゼント請求に関する手紙である。母さんの怪しい情報網によると、クリスマスプレゼントは今年の6月中旬(JK剣士の誕生日)まで受付中なので全然楽勝。

子供たちには絶対秘密だが、母さんはサンタさんと業務委託契約を結んでいるのだ!
スゴイでしょう! 受付・手配・購入・支払担当。資金繰りも契約のうち。感謝だけサンタさんへ行くことになっている。なんだか釈然としないが、世のなかとはそういうもんである。子供の命は絶対者ブラフマンから来てるのに、産むのと育てるのが親担当でしょ? 同じだよね。

手紙は英語で書かれていた。”海外に行く!”って言ってるだけのことはあるじゃん。エライぞ。でも、欲しいものだけはバッチリ日本語で書かれていた。 「え、かあさんニポンゴしかわからないし」とイイワケされて、ろくでもないニセモノを掴まされる危険を避けたとみえる。さすがだ、やるなJK剣士め。

しかしその後半に「追伸」として “This one‘s for you.” とあり、なんとまあ「JK短歌」が記されているではないか! しかも詳細な解説入り。

 …………………

 「障壁の 奥に立つのは摩天楼 まだ見ぬ都を推し当てるかな」  

新幹線に乗っているときに思いついた(摩天楼は高い建物の上の方って意味)。

向こうの景色は素晴らしいはずなのに、ガードレールが邪魔でまったく見えない。
だが上の方だけは見える。

この壁がなくなればその眺めを一望できると思った。
でも壁は無くならない。
だから想像するしかない。
美しい街を、人々を。 

それを想像したとき、壁はもう邪魔ではない。

壁は自分の未知なる部分なんだ。

今はまだ想像でしかない。いつかリアルになるかもしれない。
それとも、今、ここが壁の向こう側なのかもしれない。

不透明だからこその楽しさが人生にはあると思う。
 ママ! これからもがんばれ!
 
By JK剣士
 
…………………

いったい何を思って私にこのような手紙をくれたのかはわからない。でも人としてもありがたいと思った。親としてうれしかった。
 
私は良いお母さんであることを生きる目標として選択していないけれども、生というものを全うして生きることに貪欲でありたいし、このカッコよくない生き方をちゃんと見とけー!と言いたい。
 

自分の前に顕れた道を一処懸命に歩んでみないと、絶対者が私になにを見せようと思ったのかはわからず仕舞いになるだろう。 だから逃げまい。どんなに戸惑っても。自分に嘘もつかないし、人に助けも求めるけれども、けっして逃げないでいよう。
これからもがんばるよ。存在の奥底から、あなたを愛してるよ。



ところでね、もしかしてサンタさんの件バレてる?バレてないよね?