蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№283 うちのお寺は?

皆さんは、自分のお家の宗派を知っているだろうか?

「そんなの当然でしょ?!」と言うなかれ。

今日のレッスンでお会いした若いお母さんたちは、お二方とも微妙な感じだった…。
今頃、お母上にお聞きして、「そんなことも知らんかったんかい!」叱られているかもしれない。

私が自分の宗派を意識したのは、某国営企業に就職した時が初めて。
身上調書に、宗派を書く欄があるのだ。万が一、殉職などした時のことを想定しているのだろうと思う。

母が亡くなったときは、姉の嫁ぎ先である出雲のお寺にお世話になった。こちらは浄土真宗のお寺。
「なんまいだ」と唱えるのは、人生で初めてかもしれない! 新鮮な驚き。
これって、あれですね、私の大好きな「まんが日本昔ばなし」で小僧さんが唱えるやつですね!「三枚のお札」とかで。

浄土真宗さんでは、般若心経を唱えてはならないと聞いた。これも初耳だった。知らなかったので、母のお骨を前にお唱えしちゃったよ…。姉には内緒にしておこう。

周囲で仏教ネタが多いので、お正月休みの間にほんの少し調べてみた。
ほんとうに豊かなんだな、日本の仏教文化って。ほんの少しでもしみじみ面白かった。

私は茶道を嗜むため、禅の文化と深い関りがある。
MBSR瞑想のジョン・カバットジン氏来日時に合宿したのは、曹洞宗のお寺(総持寺)だった。福井の永平寺にも参ったことがある。霊山の気に満たされた、素晴らしいところだった。
正法眼蔵随聞記」現代語訳も読んだ。
座禅は悟るためにするのではないそうだ。誤解している人も多いように感じる。
もし今、自分に何かがあったら、諸々こちらでお願いしたい。
しかしそもそも、そのような勝手が許されるのであろうか?

真言宗は別名「瑜伽宗」ともいうそうだ。
ヨーガとはご縁が深いよと、阿闍梨様が仰っていた。確かに、毎年行うアグニホトラ(火祭りの儀式)は、護摩炊きとほとんど一緒である。それにしても、ご真言といいたくさんの神様といい、とても絢爛豪華だ。

娘が仏教系の大学に進むことになった。ここは日蓮宗の大学だという。
日蓮宗…。まったくわからないのでWikiで調べてみた。
法華経」を根本経典とする。身延山久遠寺が総本山。龍の天井絵が有名。
「南無妙法蓮華経」とお唱えする訳ですね。これも「まんが日本昔ばなし」で聞いたことがあるなあ。

ほんの付け焼刃で調べてみても面白かったので、今後もアンテナを立てて色々と読んだりして見ようと思う。

早速「法華経」現代語訳を手に取ってみた。
法華経は、正式には「白蓮華のように最も優れた正しい教え」saddarma-pundarika-sutra というそうだ。名訳を今に残してくださった、鳩摩羅什さまに感謝したい。

まんが日本昔ばなし」に、お寺・お坊さん・尼さん・小僧さんの登場する率は高い。
無宗教などと言いながら、当たり前のように「なんまいだ・なむみょうほうれんげきょう」という語を知っている環境や文化が、育んでくれたものを改めて考えてみたい。

サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳 (角川ソフィア文庫)

サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/07/24
  • メディア: 文庫