蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

本の芋虫

近頃、生きる上で壁にぶつかっており、本ばかり読んでいます。
読書は年中していますが、ここひと月「本を読む芋虫」化しているような気がします。蛹になれるといいのですが。

新しい本も読んでいますが、ここ10年処分対象とされず書棚に生き残った本たちを読み返すことを多く行っています。

今年の春から仕事のやり方を変えようと思い立ったことにより、思いもかけない多くの経験を積むことができました。
当然苦しみました。
痛みを覚えるほど苦しみました。
違和感や理不尽さを感じることも多々ありました。

泣き寝入りや見て見ぬふりをしないことは大変なことですが、それをやり抜いた人達に感銘を覚えます。

『精神療法士パメラ・スチュアートは中流階級の専門職から有罪が確定した殺人犯まで、驚くほどの数の患者を診察している。彼女はかつて私に、自分の患者たちにはある一つの重要な共通点があると話してくれた。

それは子供時代にみな一様に黙っていたことだ。
その沈黙の原因はおそれにあると彼女はいう。
まず衝突することへのおそれ、それから議論へのおそれ。
それがはじまってしまったら、家庭が壊れるまで終わらない。
この沈黙は無限に続く。
みな衝突をせず、おそれを抱え、見て見ぬふりをつづける。
この悪循環を壊すには、積極的に騒音に耐えるしかない。』

この文章に共感を覚える人は多いことでしょう。
私も同様に沈黙して育ちましたが、30代の初めにそこから抜け出すきっかけを持つことができました。
まだまだ十分とはいえませんが、ご縁を頂いているお師匠様方は、健全な批判精神を持ち、はっきりと物を仰る方ばかりです。
この方々にどれほど救われているか、言葉では表せません。

簡単に立ち直るよりも、悶々と考え抜いて血だらけで起き上がりたい。
二度と同じことで惑わないように、この痛みを感じ切る。
これをやり抜けたら、今の経験を言語化できるようになるでしょうか。

低空飛行中につき、ご迷惑をお掛けしている方々に深くお詫び申し上げます。
もう少しお時間を下さいませ。


*今週読んだ本たち(一部)
アイリーン・ウェルサム
プルトニウムファイル ~今明かされる放射能人体実験の全貌」翔泳社 (2013/1/18)
マーガレット・ヘファーナン
「見て見ぬふりをする社会」河出書房新社 (2011/12/2)