蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№218 伝記映画にハマる

先日、映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を見て興味を覚え、ワシントンポストの社主であったキャサリン・グラハムの伝記を購入し読んでいる。今は、ベトナム戦争に対する、社としての態度を変換しようとしている場面だ。

ベトナム戦争の最中に生まれた私は、この戦争のことをほとんど知らない。
映画なども2次大戦ものばかり見てきた。たぶん、学生時代に受けた平和教育が影響を与えているのだと思う。ものすごい視野狭窄。これじゃいかんでしょう。
自分たちがどんな目に遭ったかということを掘り下げることと、人がどんな目に遭っているかを学ぶことはどちらも重要で、疎かにされてはならないと思う。

軍隊における補給の重要性を学ぶため、自衛隊の補給員課程で取り上げられていたのはインパール作戦
知ってますか?インパール作戦。1944年にビルマで行われた作戦ですよ。
祖母の兄弟がこの作戦に従軍したと言っていたので、個人的に親近感は覚えるし、詳細を知ると黙っておられない気分になるが、それでも補給の勉強ならなんか他にもっといい教材はあるんじゃないの?と、今でも思う。
マーチン・ファンクレフェルトの「補給戦 -何が勝敗を決定するのか」を、みんなで読んでみるとか。

ベトナム戦争にちなんだ映画としては「ランボー」か。
これは「指揮統御」の授業で視聴した。自衛隊の教材選びって面白いな。なぜこの映画が指揮統御を考える素材となるのか、もっと深くディスカッションしてみたかった。でも私は下士官だったので、そんなに難しいことは考える必要がなかったのかもしれない。こんなことを思うから、下士官として自衛官を続けられなかったのかと、振り返ってみたりもする。

で、キャサリン・グラハムの伝記の話に戻ると、この時代のアメリカのことをもうちょっと知っておきたくなったのだ。この伝記の後には、ウォーターゲート事件について勉強してみたく、予習のつもりで、ウォーターゲート事件に関する映画も借りた。(https://eiga.com/movie/87933/
他におススメがあったら教えて下さい。


さてさて、昨日いくつか借りたDVDのなかで、イヴ・サンローランの伝記映画が私には大ヒットだった!

ファッション業界のことも何にも知らない。あまり興味もなく、「プラダを着た悪魔」のなかで、青いセーターについてメリル・ストリープが語る内容に心底驚いた。アンドレアも同じ気持ちだったんだろうな…

イヴ・サンローランは、当時まだフランス領だったアルジェリアで1936年に生まれた。18歳でクリスチャン・ディオールに見込まれ、後継者として直々に育てられる。21歳でディオールの突然の死により、クチュリエとして抜擢され鮮烈なデビューを飾った。

ところが、1960年にアルジェリア独立戦争に徴兵されてしまう。入隊20日で神経衰弱との診断で精神病院に送られるのだが、原因は性的志向を嘲られての軍隊内でのいじめ。しかもこの入院を理由に、入営中にディオールは彼をクチュリエから罷免した。

その彼を、恋人であったピエール・ベルジェが支え続け、サンローランは”モードの帝王”として君臨し続けたという。もちろん才能も豊かであったのだが、才能は諸刃の剣でもあると思う。何かに突出していれば、きっと何かが出来ない。人は誰かに助けられてこそ、その才能を世に還元できるんだなあ!としみじみ思わされる映画だ。

サンローランは自らが受けた差別や偏見の故に苦しみ、同時に偏見に屈しない生き方を貫いたと思う。有色人種のモデル起用にいち早く取り組み、自身のセクシャリティーをオープンにしたという。勇気あるなあ!

ということで、映画はまだ途中なので、残りを視聴しようっと。

https://eiga.com/movie/80320/