蓮は泥中より発す

心身一如に生きるヨーガ教師の日記

№694 かえる愛

傘にうつくしいかたつむりをつけてきみと地球の朝を歩めり   雪舟えま

 

 

 

 

6月17日

「でも、アナクシマンドロスとかアナクシメネスとかエニペドクレスみたいな衝撃はなかった」


みなさま、ごきげんよう。お蔭さまでふらふらさせて頂いております。久々にあの子の登場ですよ。忘れてませんか?

実にめずらしくJK剣士からLINEがきた。世界史でなにやらさんが出てきたと。そのなにやらさんはどこの方?ギリシャの方?と訊ねると「そうそう、そのあたり」と。

21:48 JK剣士  万物の根源は無限なるものとか

21:48 JK剣士  空気とか

21:48 JK剣士  いった人たちですね

21:49 JK剣士  ピタゴラスみたいな人

ふーん。そしたらVedaと一緒やん。Yogaにかぶれている無知な私はそう思った。
なので「インド哲学と一緒ですやん」と返すと、ウパニシャッドも出てきたよ、というので「ウパニシャッド最高っす」と述べたら、冒頭のような返事が返ってきたわけです。

ハハはさー、高校2年から日本史選択だったからさ、そういうカタカナ名称ぜっんぜんわからへん。なんというかその空気感みたいなもんも全然理解できん。そして結末は…

 21:54 JK剣士 でもホメロスが1番だねやっぱ

21:56 Kayoko どのようにでございますか

21:56 JK剣士 いや

21:56 JK剣士 もっと俺のこと褒めろス!!

21:56 JK剣士 って使えるじゃん

 

ホメロスさんというのはそういう感じの方なんですね。ほうほう、勉強になりました。なるほどねー。そんで結局ダジャレなんだね。ふーん。もう何も言うことないですわ。

 

 

さて、行ってきましたよ!国立博物館鳥獣戯画展です。

数年前に京都の国博でも見せて頂き、今回が2回目になる。ほんとだったら今年のGWの目玉がこれで、他にも美術館をいろいろめぐるぞー!!と長女ぶーちーと二人で意気込んでいたのに、このとおりの状況ですべてがナシになってしまった。ところが6月の初めにぶーちーから「チケット取れるぞ!」という連絡が来て、けっこう苦労をして昨日朝一番のチケットをゲットしてくれたのだった。しかもぶーちーのおごりである。ありがとう!ぶーちー!

この先の説明はナンチャッテですので、詳しくご存知の方がおられても決してツッコんだりなさらないでください。
鳥獣戯画とはマンガチックなどうぶつたちの姿が描かれた、とっても楽しい巻物である。甲乙丙丁の4種類がありあの有名なうさぎやかえる、きつねや猫、ふくろうが登場するのは乙巻である。全部伸ばすと40mほどにもなるという大作。この度はこの乙巻を、なんと動く歩道に乗って見ることができる。せっかくこんな「動く歩道」まで設置したのに会期が短縮になっちゃって、担当の皆様方はめちゃめちゃ悔しかっただろう…。

その肝心の乙巻をまじまじと(動く歩道に運ばれながら)見ていると、これを描いた人はどれだけかえるが好きなんだ?と思った。もう他のなによりもかえる愛がすごい。紙からそのかえる愛が激しく放射されている気がする。ほかのどうぶつたちと比して表現の熱意が違うような。動く歩道が終わってふらふら~と次の展示に向かう短い通路で、長女ぶーちーと「このかえる愛っていったい…」と言い合っていた。

幼少時からかえるフォビアだった私。とにかくかえるが怖い。嫌いなんじゃなくてコワい。写真も写実的なイラストもムリ。生物の教科書にかえるの絵が描いてあったら紙を貼っていた。ペンで塗りつぶす?無理です、ペンの先からかえるエネルギーが伝わってきてコワいです。かえるの解剖があったらガッコウは休ませて下さい、と小学生の時から母にお願いしていて、私の母は超厳しい人だったのだが、どれくらい私のかえる恐怖が激しいかはわかっていたので「うん、よかよ」と言ってくれていた。幸いなことに解剖はなかった。高校に進学すると、我が母校・長崎の立山にあるH高校の生物室にたいへん珍しいアフリカツメガエルが複数飼われていることが判明した。そうと知っていればこの高校は断念したものを…。

ご存知ですか、このアフリカツメガエルは水にぷかぷか浮いて生存しているらしい。ちゃんと見たことはないので聞いたハナシである。生物室に入らねばならないときには目の焦点をわざとヘンな具合に調整にして、視界がぼや~っとするよう必死に努めた。「ここにはかえるはいない、いないのだ…」と自分に言い聞かせるのが精いっぱいで授業なんて耳に入るもんじゃないですよ。このアフリカツメガエルの存在ゆえに迷走神経の働きが狂い、高校時代の私の成績は惨憺たるものであった。アフリカツメガエルさえいなければ安心した環境で勉学に励めたはずで、今頃私は… 間違いなく今と同じようにふらふらしていたであろう。

かえるって変態するじゃないですか。変身ですらない、変態ですよ?!すごいポテンシャルですよね? あ、でもこの変態っていうのは、あなたのような方のことじゃなくってよ?オタマジャクシがかえるにすっかり姿を変えるって意味ですから、一緒にしないでね。だいぶ違うから。

変わることに対する恐怖がある場合、かえるフォビアになるって聞いた。
心身を病んで中野先生のところで数年かけて箱庭療法に取り組んだとき、目標はこの「かえるフォビア」克服だった。1年ほどでなんとかかえるの置物に触れて箱庭のなかに配置できるようになった時、ものすごく感動した。そこで近所の、ケーキ屋さんなのにやたらと雑貨を売っているリ〇ドーでかえるのぬいぐるみを買った。この子はケロッタちゃんと名付けられて、今も私の本棚のうえで常に寛いでいる。

鳥獣戯画展に戻ります。
かつてかえるフォビアだった私は、ここで長い歴史を生きてきたかえるさんオーラ&パワーに直撃されて、お腹が痛くなってしまった。これは間違いなくかえるさんのせいである。そしてずいぶん長いことトイレで座っているほかなかった。何とか回復して残りの模写的な巻物を見たが、やっぱりコピー品はオーラが劣るねぇ。残念ながらかえる愛が絶対的に足りない。コリャいかん。

そして上野駅たいめいけんでランチを食べて帰りました。
ぶーちーのお蔭でかえるの洗礼を受けられてよかった。これでさらに変態、じゃなくて変身できてしまう気がする。もっと美しく強引に、ペロッとハエを呑み込むように愛情深く!!かえるといえば薬局のあの方(ケ〇ヨン)しかムリだった私が、こんなにかえるのことを理解する日が来ようとは… やはり絶対者ブラフマンのお仕事は緻密にして愛情深い。

あ。今思い出したことが。
カヨってケロに似てる、これからカヨコのことケロコって呼ぼう、てな冗談を家族が言ったとき、マジでキレて大暴れして激しく泣いた。8歳くらいの頃。なつかしいわぁ。