蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№606 イケメンの、筋肉による示威行為

息あつくわれをまく腕耐へてきしかなしみをこそ抱かれたきを  沢口芙美

 

 

3月17日に書いた原稿が、下書きフォルダに放置されていたのでアップします。

このブログは「ハスドロ」と呼ばれている。かなり前からのインテグラル友達S藤さんが命名してくれた愛称。そして本日このハスドロでJK剣士に次ぐ新たなアイドルが誕生したことが確認された!

久々に車に乗ってスーパーへお買い物へ。近所のHックでふらふらしていたら、お花屋さんから世界でたった一人のママ友Fさんが顔をだしてくれた。おにいちゃんの月命日のためにメッセージを記入していたら、「いやー、今回も楽しませてもらったわ」と言ってくださる。

お茶の間の皆様の自粛ライフを元気付けるために、感染症への恐怖などそこのけであちらこちらをうろついている私をお褒め下さるお言葉にジーンと来ていたら、私じゃなくてジョニー・デップK田のことなのだった。なんだそっちか!「静岡まで見に行きたい…」乙女のように目を輝かせるFさん。年齢を教えてあげると「アリだわ」と意欲的である。静岡とは対角線上にあるような米子にファンが生まれてしまったジョニー・デップK田。罪な男…

しかし私のまわりには素敵な方が多くってよ?

ここではリーダーと呼ばれているS堂さんは、初めてリアルにお目にかかった時からセメた服装で私の心を鷲摑み。O先生もゆくゆくはあんな風に…と憧れている。ほんっと!にカッコいいんだから。加藤先生は未だ“リアルS堂”をご覧になっていませんね?人生損してますよ。

昨年駒込のピザ屋さんで宴会してるとき、ある女性がリーダーのことを「橋本じゅんに似てる」と仰った。橋本じゅん=「図書館戦争」=玄田隊長=「クマと戦って勝てる人間は玄田隊長くらいしかいない」という連想が一瞬にして湧きあがり「ぜんっぜん違います!!」とブチ切れてしまった私。その節は大変失礼しました…。リーダーはクマに襲われてもそのクマを説諭して「俺、もう明日からどんぐりだけにする!」という気分にさせちゃえるひとです。イケメンでしょ?

あと、元ラテンダンスチャンピオンOさん。私的にはこの方ヤバいと思うわー。数年前神楽坂でブタニク食べながら飲んだ時にはまわりに黒い雲が立ち込めていたけど、今は南国の太陽に目が眩むような色気が復活してますよ。でも俳優の名前がニコラス・ケイジしかわかんないから誰に例えていいかわかんない。強いて言えばサルと魔人抜きでノープロブレムなアラジン。いいでしょ?

 

 

ここまでイケメンネタで引っ張ったから、今日は最後までこれでいくことにする。
イケメンの条件がマッチョなボディだと勘違いしている、ピュアな男心を打ち砕く路線で進めることにするわ。

 

むかしむかしうちのチームのイケメンズはすごいボディを持ってたらしい。まあなんといっても私だって毎朝10㎞走って夜に1~3km泳ぎ、64式小銃を取りまわす女だったからすごいボディだった。当時(25歳頃)の写真が出てきたから恥を忍んで見せてあげたら、O先生は爆笑しリーダーの顔は引きつってた。全然今の方がマシなんです、あらゆる角度から。ただ授乳を経た乳がこじんまりしてるだけで。これはすべてJK剣士を育てるためで、事故みたいなもんだから。

そして二人のメンズにも決して見せられない暗い過去がある。O先生はいったいなんのためなのか100㎏のウェイトを上げていた時代があって、その頃の写真は恥ずかしくてすべて処分したそうだ。こどもに絶対見られたくなかったんだって。100㎏の重量物を意味なく上げる活動を終了したあとの写真は見せてもらったが、推定50代後半のデブのおっさんがそこに映っていた(O先生は私と同い年だから40代です)。頬はアンパンマンのようにハリきって輝いている。それ見てみんなで大爆笑!今のO先生は細マッチョで余分なものはついていないし、お仕事でなさっていることとご自身を扱う方法が乖離していない。

リーダーは、某所の焼き鳥屋でその店のおかみさんに腕を撫でまわされたことがあるらしい。私が初めて会ったときもすごくカッコいいボディをしていて、私がこんなシャイガールじゃなかったら胸や腕をさすって氣を吸い取っていただろう。ただしどこにも痛みが無かったら。もしどこかが痛むなら、その体には調和を欠いた虚無的な美しさしかない。

 

美とは調和である。乱調に生まれる美もあろうが、調和しているものがあえて乱されるからこそ美として成立するのだ。不調和な状態が常態化している、それは単なる乱れでしかないから。

 

肉体には見えるところと見えないところがある。見える部分は肉の目で見ればいいが、見えない部分を見るためには内的視力を養わなくてはならない。今、肉体を扱う業界でこの内的視力の欠如が大きな問題を生んでいると思う。人間ってわりと単純だから、見えないことは存在しないことにしてしまえる。そもそも五感を使った活動って、脳が色んなことを処理して掬い上げると決めたものしかキャッチアップしていない。

リーダーは自らの激務を支える自己存在を構築するために肉体にも向き合っていたと思う。でもそこで提示される方法が、残念ながら目に見えるものだけを扱う手法だった。腰痛に悩む人は「腹筋を鍛えるように」と言われるんだけど、その腹筋がどの部分のことなのか真に理解して自分の言葉として教えられる人はほとんどいない。だから見える腹筋を鍛えてハラを6つに割ってみても、腰痛は治らない。

 

この見える体を鍛え、そして服の外からでも、服を脱いだ時でも「誰かに誇示したい、称賛されたい」という無意識的な思いが根強くある。これは筋肉による示威行為であると思う。O先生とコラボ・セッションを行なうときこの求めに直面することがある。気持ちはわかるが絶対に認められない。自らの意思で「自由に動かせる」からだが人の目から見て結果的に美しいと言われることと、ただ見せて触らせて「スゴーイ!」と言われることはまったく違うから。

まず内的な調和を生みそこに美を宿し、その体で人と向かい合い愛しあって欲しい。どこも痛まない体で。だから内的な感覚を目印にして進むのがいい。今、私はよく人に姿勢や体型を褒められるし、40代後半にして自分史上最高のカラダだと思っている。私はPranayamaを通じて肉体を制御していると思う。

内的な満足感が連れて行ってくれる先に粗雑なものの調和がある。ほんとうのイケメンはそこから決して目を逸らさずにいて欲しい。内外共にイケメンである真のイケメン男子を、私は心の底から愛する。