蓮は泥中より発す

心身一如に生きるヨーガ教師の日記

№531 胸を借りて

一生の暗きおもひとするなかれ わが面の下にひらくくちびる   篠 弘

 

 

 

1月3日
子供たちが先に帰っていった。
JK剣士の稽古始が延期、冬休みも延長されたので「なんだよぅ、もっとゆっくりできたのにー」とみんなで文句を言っていたが、残念ながらJRの往復割引切符は使用期限が決まっている。空路を利用する私だけ滞在を1日延ばすことになった。
そして今、聖地”大崎のスタバ”の、席というより通路に近いところで電源を使用させてもらっている。ここは間違いなく「しょんぼりシート」である。今日私が命名した。寒い、微妙、席というより通路。三拍子揃ってる。

 

 

さて2日、某所にてYouTubeチャンネル用の録音をさせて頂いた。
たぶんこの録音は、私のチャンネル“欲張りなYoga”ではアップされない。ゲスト出演の私以外、かかか…格調(緊張のあまり震えている)が高すぎるので、あんなチャンネルではダメなのである。
これまでも度々、私のYouTubeチャンネルの品質の低さに複数の方からご指導を頂いてしまい、めんどくさがりの私はそれ以来新しいものをアップしていない。撮りっぱなし、無編集、ただ上げるだけというクオリティの低さ…。ほとぼりが冷めるのを今か今かと待っていた。でももう新年、そろそろやっちゃうよ。しかも対談で。たぶんまた叱られると思うけど、もう開き直ってます。へへへ、ごめんなさい。

 

昨日行われた収録があまりにも高品質で、すごいなあ!と思った。
人間、こうやって自らのブランド力を上げていくのか。私にはちょっとできそうにない。深い絶望感(単にめんどくささ)を覚えて、急にヒマラヤに籠りたくなった。でもヒマラヤも遠いし今インドには入れないから、米子市に、明日の夜から籠ることにする。また寒波も来るらしいし。

 

 

常々「圧が強い」と言われつつもそのことに全く無自覚の私だが、この日「負けた…」と思った。
いつもO先生との収録を秘密の場所でやっているわけだが、掛け合い漫才のようなこの収録で暴走してしまうのは当然私である。それをなんとかO先生が正気に返らせようと懸命に引き留めて下さるので、毎回一件落着している。
ところが昨日のお相手は、こちらのペースに引き込めなかった。お師匠様方以外でこんな風に感じることって、まずない。ゆえに負けた、と思った。ちょっと悔しいかも~

某県のコンサルタントAちゃんは、その世界では相当に有名な方だそうである。ヨガしかしないでぼんやり生きている私は、この方の対社会的な凄さが全然わからない(申し訳ないが、たぶん他のどの方に関してもわかっていない)。でも大好き、そして仲良しである。

このAちゃんも当然ながら相当に圧が強い。「うわー、圧が強いなあ」と私は思っている。ところが、Aちゃんと話しているとき、相槌を打っただけで叱られちゃうのである。「ええっ!」「ほんとに?!」とごくごく小さな声でそっと囁いているだけなのに、「かよこがなにか言うと、意識がぜんぶそっちに持っていかれて、何を言おうとしたか忘れてしまうじゃないか!」と新地でも神田でも叱られた。全然そんなつもりないのに。Aちゃんったらひどいよ。

このAちゃんですらそんな感じなのに、昨日は負けた感があった。
お相手はAちゃんのようには圧を感じさせない、柔和で色気のある方。完全に油断していた…。

いや、大事なのは勝ち負けじゃないんですよ? 
当然それはよくわかっているのだが、ふだんレッスンのなかで「世間で一般的にスゴイと思われている」ことに対して汲々としている人をつかまえて「それがなんぼのもんじゃい?」と言ってのけるために、若輩ながらも私は相当この身を張ってきたと思っている。
国営企業の社員の時も、100名のピチピチした学生を前に空気を支配できるよう、言外の何かで意思伝達ができるようにと思っていた。目くばせ、身のこなし、非言語的コミュニケーションで実に色んなことができるものである。

でもさー、昨日はまったく太刀打ちできなかった。
うんうんと相槌を打ちつつ、「めっちゃ語るなあ!」と思いながらまったく斬り込めず悶々としていた。動画をご覧になったときたぶんわかる方にはわかるはず、私が普段と比べればずいぶん大人しいのが。


O先生とも、西洋医学的国家資格保有者と、東洋的吹けば飛ぶような民間療法資格者(なにしろAlternative だからね)という真逆感があるが、この方とはもっとである。立ち位置的にも、たぶん性格的にも対極にあると言っていいかと思う。でも大好き、そして仲良しである。

ということで、昨日は非常に貴重な経験をさせて頂いた。
胸を借りる、とは正にこういうことであろうと思う。本当にありがとうございました。感謝です。

この度、この対談をお願いしたのには訳がある。
実のところ、一昨年の年末に対談のお申し入れを頂いていたところ、当のご本人が、主に冬に流行する例の呼吸器系疾患に罹患、ぶっ倒れてお流れになったのである。だからリベンジ。

 

通常、YouTubeチャンネルの収録は15分前後で切り上げてと思っているのだが、昨日は「この話、深すぎて終わんない…」という感じになって、無理やりお仕舞にした。
続きはあるかもしれないし、ないかもしれない。YouTubeでアップされなかったとしても、昨日為されたような対話はこれからもずっと私たちの間で続いていくだろう。

どちらにしてもこの方は、慈悲という親方、別名絶対者ブラフマンに使い回されている方である。
この親方がこうと決めたらもう絶対にNOはないのだから、全身全霊をかけて世のため人のため、患者さんのためにその身を擲って欲しい。うんと広く、そして高い視野から、関係されるその業界を見ていてほしい。他の誰にも、そんなことはできないと思う。
O先生も私もあなたを心の底から尊敬しているし、いつもいつでも応援団の気持ち。当然私は自称団長である。


私たちは誰ひとり、自分のために働いてはならないと思う。
自らのなかにいる他者のため、そして同じくわが身のうちに宿り、常に離れることのない尊いものに、いつでもこの身を捧げる覚悟で。