蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№287 感情と内臓の関係

襖に、ガリガリと猫の爪痕が刻まれて、私の心は悲しみでいっぱいである…。


さて、漢方では「七情」ということを仰る。

腹に据えかねることがあると「肝」に影響が及び、目がずーんと重苦しくなったり、片目だけがおかしな瞬きを繰り返したりする。
ストレスが続くと「心」に来るらしく、夜休んでいる時に胸がギューッと締め付けられるようになることもある。

私は月に2-3度の鍼灸治療の際に、その時の先生の見立てや治療の結果と、前回からその時までの自分の気の動きや感情について、先生のお話を伺いながら改めて考察するようにしている。

この時に大事なのは、実際の生活の中で何があったか、ということよりも、私自身がそれに対してどのような評価を下したかの方が、心身に重大な影響を及ぼすということである。

例えば、現状は何も変わっていなくとも、希望を見出すに足る兆しのようなものを感じ取った場合、劇的に心身の状態が改善したりする。
また、肉体の状態と、内面の心の動きが恐ろしいほどリンクしているのだ。

当然なことなのだが、脈を見たり、舌を見たりの診立てで、それをズバリ言われてしまうと、やはり「すべて顔に書いてあるのだなあ」と空恐ろしくなったりするのだった。


さて、七情と内臓の関係について簡単に調べてみたので、ここに書いておこうと思う。

悲しみ・憂鬱 「肺」呼吸器に影響が及び、意気消沈する
怒 「肝」と深いつながり
驚 「腎」どうしていいかわからなくなる
恐  同じく「腎」 恐ろしさのあまり失禁することも
喜 「心」心気ゆるみ、集中できなくなる
思 「脾(胃腸)」考えすぎると、やる気が出ない、消化不振、消化不良


お世話になっている先生のご説明と多少異なる点もあるが、大筋では同じ。
ちなみに私は体質的に、「脾(胃腸)」に症状が出やすい。確かに考え込むタイプなので、ヨーガ(瞑想)には大いに救われている。

ここでこんなことについて書いてみたのは、先日も少し書いたが、腸の中の生体系が、感情によって荒らされてしまうということを改めて学んだからだ。

今日は、東京での指導準備のために、O石先生とオンラインセッションをしたのだが、「動きや呼吸に集中し、考えから離れる」というヨーガ実習の指示が、どれほど大きな恩恵をもたらすかわからないよね、という話になった。

幸せになりたい、と思いながら生きているのに、自分の心が自分の肉体に毒をまき散らすというような事態は誰しも避けたいものだ。

あれこれ資料を読んで、あれも大事、これも大事だ、と思う中で「あー、誰か頭のいい人が分かりやすくまとめてくんないかな~」と考えたりすることが最近多いのだが、ここは腹を括って、自分自身がまとめ、表現していかねばならないということなんだろうな。