蓮は泥中より発す

心身一如に生きるヨーガ教師の日記

№182 勝ってしまった苦しみ

台風が近付いている。本日は娘の学校の体育祭の予定だったが、週明けに順延となり、明日予定されていた大会も中止となった。

さて、娘がとても頑張って全国大会に出場することができたが、これまで知らない世界を見てしまった故に、今、大変な葛藤の最中にいる。傍で見ているのも苦しい。

強くなりたくて頑張ってきたのに、勝ったと思ったら、自分が強い訳ではないことを知った。こんなはずじゃなかったのに。もっといい場所だと思っていたのに。

身近な関係性は難しいとつくづく思う。セラピストであっても、家族に対処するのは難しく、おろおろするばかりだ。
しかも対話の中に、どうしても自身の最大の興味関心であるヨーガや成長・変容のことが入り込んでしまう。そんな話を求められている訳ではないのにも関わらず。それしかできないから。

身体活動を通じて、人は心・体・魂を癒すことができる。
ちなみにヨーガを10週間実習すると、PTSD症状が著しく軽減するという研究がある。私自身も、幼少期からの心の癖をヨーガを通じて克服した経験がある。

以前の自分は、自分の本心に嘘をつき続けたために、「自分が本当は何を考えているのかわからない」という状態で長く生きてきた。その為に身体症状や精神症状として、私自身が叫びを上げたのだが、それは当時の私にとっては青天の霹靂のようで、自分自身に足を掬われたように感じていた時期もあった。

幸いないことに私はいくつかの取り組みを通じて、自身についている嘘に気付き、多くの怖れを手放すことに成功したけれども、当時自分がぶつかっていたような壁に悩んでいる方は、たくさんおいでになるのだろうと思う。

娘は、人を癒す身体活動を頑張って、壁にぶつかってしまった。
目標とした場所に、実際に立った時にしかできない経験がある。それはもちろん「いい経験」であるだろうけれど、同時に堪らなく過酷な経験でもあるのだろう。
「経験したことがないからわからないだろう」と言うのは事実だけれども、それを言われてしまうと理解し合う糸口が失われてしまう。

その経験は理解できないかもしれないけれど、目の前にいる人そのものを理解したいという気持ちを持ち続けて、言葉という道具を使っていきたい。

娘に壁を突き付けた活動に、娘自信が葛藤を覚えながらもこれからも取り組み続けることで、いつしかその活動に癒されていくことを祈る。

身体活動による心・体・魂の癒しについて詳しく知りたい方には、コーク博士の書籍をお勧めします。

身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法

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