蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№141 働く者の心構え

山で働いていることは以前から申し上げた通りで、今朝も真東に朝日に向かって出勤、山へ上がる道で東南方向に向きを変え、大山に向かって坂道を登っていく。

今朝は夏らしい眩しい太陽光で、松果体が活性化するんじゃないの?!と思うが、ガラス越しなのでダメかもしれない。

通勤に30分きっかりかかるので、自宅を出たところで、いつも唱える定番のマントラをまず唱える。
ガネーシャ神、ダンワンタリ神、万人への祈り、ガーヤトリ・マントラ、サラスワティ神、ラクシュミー神、それぞれのマントラ
もう10年ほど前になるだろうか、アーユルヴェーダの専門を受けた際、講師のバット博士に伝授を受けた。
この専門教育は3年間にわたり、1週間の合宿形式でバット博士来日時に行われた。

まず朝6時のお祈りから始まる。その後ヨーガと瞑想。
バット博士は、人を健康にする最も重要な取り組みは「瞑想」であるとの信念をお持ちの方なので、お祈りや瞑想抜きでは1日は始まらないのだ。

朝の儀式の後、掃除、朝食、夜遅くまで講義や実習という、理想的な修行ライフなのだが、何分アーユルヴェーダの理論は知れば知るほど難解で、気を失いそうになったこともある。

特に記憶に残っているのは、中級で学んだ病因論。
「鳩が穀物倉庫から米を盗んでくるかのような」病の発生の仕方がある、と教わったのだが、鳩がなにやら加えて窓から飛んでくる絵だけが頭に残って、その他の詳細は五里霧中である。(私は診断はしないので、まあいいか)

さて、山のホテルで突然シェフが辞めた。

秋頃に契約が満了だったが、1年持たなかったようだ。
社会人の皆様ならご存知のように、「辞めるなら1か月前に言ってね!」という決まりがありますよね?!
それが29日に申し出て31日までで辞めると。しかも30日は休みますという。

ビックリしたか? しましたとも。
正にその日の朝に、オーナーから「じきに辞めるから心積もりをしておけ」と言われたことに対して、「預言者でらっしゃる?!」とビックリしました。

ここにやってきて17日になる。たったの17日。
静かに様子を伺ってきて、少しずつ見えるようになってきたこともある。
通勤の途上でマントラと般若心経を唱え、ホテルの神棚に手を合わせ、池の向こうの祠に思いを寄せる毎日の中で、何かを「やれ」と言われているような気がする。

シェフの気持ちは分かるような気がする。私も20年前だったら、同じように思ったかもしれない。同じような心で自衛隊との別れを決めたのかもとも思う。

でももう知ってしまったから。
どこに居ようと、そこが自分の場で、
今、この場で、逃げずに、ありのままを受け入れるしかないのだと。
それができれば、今すぐに苦しみから解放される。
目の前にきたものを、拒絶せずに「わかりました」と受け入れるだけ。

修行って、いつでもどこでもできるんだ。
そしてある意味、修行なんて必要なんだな。
うん。