蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№130

 明日は鳥取、明後日から二日間は神戸へ出張予定。
更にその翌日の13日から新しい仕事がかなりの頻度で入る予定なので、先週から慌てて用を済ます日々が続いている。
その前の約1か月間は、いつから仕事が始まるか分からない待機の期間だったため、予定がほとんど入れられなかったのだ。

前職の時も「待機」という勤務があったけれど、ただ待つのはなかなか消耗するものだと改めて思った。実際に動き出すことが決まると、その流れに乗って、仕事とはまるで関係のない事々にまで手が出るのは不思議なものだ。ということで、なぜ今なのか分からないのだが、何かに突き動かされるように、襖の張替えや修繕、ソファーの掃除や歯の検診まで、慌ただしく活動している。

課題となっている本や、少しずつ読み進めている難しい本(ここしばらくずっと、M・エックハルト「神の慰めの書」)以外の”娯楽本”は、ふとした興味の連想から選んでいるのだが、先週、突然「源氏物語」を読みたくなり、谷崎潤一郎訳を書店で探したものの、私の御用達書店である今井書店には、残念ながら在庫が無かった。角田光代訳のものは新刊で価格が高かったため、ひとまずこの度は手に取りやすい文庫で、リンボウ先生訳のものにして「若菜」の辺りを読んでいる。

柏木と女三宮の逢瀬が盛り上がってくると、その後の展開を知っている者としては息苦しくなり、暫く寝かせたくなったため、フランス革命の辺りに足を延ばしてみる。

ルイ17世の父は、誰であったのだろうか。
D・キャドベリーとエブリン・ファーの著作を読んで以来、私の中には一応の結論が出た。
それにしてもルイ・シャルルの最後の日々はあまりにも酷く悲惨で、本を繰りながら、現代の虐待の問題にも思いを馳せてみる。

ウィルバーは「統合的ヴィジョンの普及はもっとも緊急度の低いもののひとつ」と書いている。智慧や知識を強く求めてきた自分のここ10数年の生き方と、その幸せが、実に長閑なものであったことに気付く。

どうすればスパイラル全体の健全さを維持することができるのか、その中で自分に課せられた役割とは何なのか、娯楽的読書をしながらも、どこかで忘れずに考え抜きたい。

 

謹訳 源氏物語 七 改訂新修 (祥伝社文庫)

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マリー・アントワネットの暗号: 解読されたフェルセン伯爵との往復書簡

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ルイ十七世の謎と母マリー・アントワネット

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