蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№110 軽い本と重い本

 漸く連休が終わる。
不断の生活のリズムが、家族が家内にいることで乱れることを痛感した。
明日からは元通りのリズムに戻したい。ブログ更新も2日に一回などとなっていたものを毎日に戻すことと、私的な日記の記述も以前のように一定量を書き溜めていきたい。

試験が近付いてきたので暗譜を本格的に完成させなくてはならない。後は調音に慣れることと、学理の過去問を毎日解いて感覚を失わないようにすること。暗譜が難しい。とにかく楽譜だけで歌えるようにすることかと思っている。

自分で経験できることは少ない。
なので、人の話を聴かせて頂けることは有難いし、書籍を読むことも重要だ。
それだけの理由で読んでいる訳ではないけれど。読書は純粋に楽しい。

昨日、図書館で手に取った軽い本を読む。
ヴィクトリア女王を超えて歴代最長在位を更新中の英・エリザベス女王。映画 ”The Qeen" も非常に興味深かった。21歳の時に「全生涯を国家に捧げる」と誓い、25歳で戴冠、今は1日も長生きするために食事等々に気を配るという女王についての日本人による評伝。

女王の配偶者であるエディンバラ公についても、詳しく記述がある。ギリシャ王子の末子として生まれた彼は、生後1年の頃にクーデターで国を追われる。その後、彼の母親は土産物屋をしてみたもののうまくいかず、次第に精神に異常をきたした末、信仰に目覚め尼僧となってギリシャに戻ったという。Wikipediaで見てみると統合失調症を発症したとある。「精神に異常を来たし」という著者の表現に違和感を感じるのは私だけだろうか。このアリス・オブ・バッテンベルクの人生に親和性を感じるから、尚のことこの表現が不快である。

この本、図書館の本にも関わらず、多くのページに折り曲げられた跡が残っている。明らかに意図的ではっきりと残った折跡に、公共の書籍に対してこのような行為を行ってしまう人物について、想像を膨らませてみる。
 

危機の女王 エリザベスII世 (新潮選書)

危機の女王 エリザベスII世 (新潮選書)

 

 

さて、本が大好きで、なるべく買って読みたいのだが、それを躊躇させる書籍がこの世には存在する。第一には内容が恐ろしすぎる本(一例を挙げると、山本直樹「レッド」)、第二に装丁が受け入れられない本。要するに、持っておくのに気が進まない本は買う決断ができない。第三には価格が1冊4000円以上する本だが、これは中古などを利用してなるべく入手するよう努める。
そして以下に紹介する本は第二の条件に該当する。エゴン・シーレの絵が使用されているのだが、これが私にはとてもじゃないが受け入れられない…。(引用したデータにはこの絵が写っていないものを使用している。)

内容としては「いつか必ず読まねば」と思っていたので、この度図書館で借りてみたものの、やはり線を引き引き読みたいと思わされた。中古で入手してカバーを外すしかないかと考えている。

「私はずっと人間の生活に欠かせないものといえばただ空気、食べもの、飲みもの、そして真理の探究だけだと考える人々のほうにとどまりつづけていた。それ以上のことは随意である。」

この文章の前半には同意。でも「それ以上のことは随意」って… 元ナチス親衛隊 マックス・アウエの独白に、借りてきた本でどれほど肉薄できるか。挑戦。

 

慈しみの女神たち  上

慈しみの女神たち 上