蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№96

 4月22日分

学会で出かけた広島で、森 健「つなみの子供たち 作文に書かれなかった物語」(文春文庫 2019.3.8)を入手し、帰路のバスの中で読んだ。旅行先でしか読まない本があるものだ。

この本の表現では、避難所での生活がとても美しいものに感じられ、本当にこうだったのだろうかと疑問が生じ、文庫化された 垣屋美雨「女たちの避難所」(新潮文庫 2018.7.1)を入手して再読した。避難所での被害は実際にあるといい、大災害を体験したことの者にはわからないことが多い。今後はそのことに関する書籍も読んでいきたい。

女たちの避難所 (新潮文庫)

女たちの避難所 (新潮文庫)

 

 


帰宅して「すべての見えない光」の再読を終えた。
ヴァルターには、生き延びて彼の夢想したサン・マロでの恋人同士の会食を実現して欲しかった。「千と千尋の神隠し」を見た時に、愛した人が神様なんてなんて切ないんだろうと涙が出たものだが、神様でも、川としてでも、また会えるならまだいいのかもしれない。再読するたびに感慨の深まる作品がある。私にとってこの小説は間違いなくそういう作品のひとつ。
ドーアの既刊の短編集も再読したいと思う。

すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

 
シェル・コレクター (新潮クレスト・ブックス)

シェル・コレクター (新潮クレスト・ブックス)

 
メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス)

メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス)