蓮は泥中より発す

अद्वैत :非二元に還るプロセスの記録

№95 広島大会雑記

 

今年も研究総会が無事終了した。
七夕のような毎年の再会も果たすことができたし、何より内容が充実しており、日頃から心に留めている事々に関して重要な示唆を得ることができた。
また、思いがけないご褒美を頂いたことは嬉しい限りだ。
大会開催は大変なご負担であろうと思うが、迎えて下さる広島の先生方は皆様朗らかで、心地よい雰囲気に満たされていた。
開催地の先生方、そして日頃から学会の運営に携わられる先生方に心からの感謝を申し上げます。

ここで今大会の内容について一部記録しておきたい。


小林弘幸先生「呼吸と意識、自律神経との関連」
ヨーガは単なる体操と思っておられる?自律神経についての知識は無かろうとばかりのお話ぶりに聞こえてならなかった。TVでは有名な方らしい。ご著書の宣伝もぬかりなく。

久我谷亮先生「マインドフルネスと今」
熊野宏昭先生「マインドフルネスがマインドワンダリング指導に及ぼす影響」
木村慧心師「インド五千年のマインドフルネス」
お三方によるディスカッションが活発かつ率直で素晴らしかった。「何を目指してマインドフルネス指導するのか」というヨーガ療法士側からの質問に対して、正直そこまで考えていなかったが、医師が勧めるマインドフルネスは入り口で良いと思うとの旨の久我谷先生の発言には納得した。私自身の指導についても「入口」を明確に示すことが重要であると感じた。平素より「難しすぎる」と言われる方に出会うこともあり悩んできたが、クライアントの目的をまず明確にして受け入れることに尽きるかと思う。やはりアセスメントが大事か。

宇野彩子先生「ガンディー生誕150年記念」
実は失敗だらけの人生を送ってきた内気なマハートマ・ガンディー翁。自叙伝を読んでみなくては。

岡孝和先生「心身医学専門家から見たヨーガ療法」
Springer Nature「世界を変える2018の論文」に掲載された慢性疲労症候群に関する研究についての詳しいお話。岡先生の共同研究者に、ヨーガの専門家である慧心師と福岡の脇田先生のお名前がある。これが医者三名だったら選考されていなかったと思うと、岡先生のお言葉。
慢性疲労の患者さんのためのプログラムが動画で配信されている。
https://www.youtube.com/channel/UCsbp6Io0iFKvNysCFBPjhuw

本間生男先生「情動と呼吸法」
優れた研究者の懐の深さと、確信が持てぬことに対して曖昧な発言はしないという誠実なお人柄に引き付けられるものを感じた。睡眠時無呼吸症候群のことを「オンディーヌの呪い」というそうだ。本間先生は、呼吸と情動の繋がりを芸術美として新作能に表現なさった。「息が変われば体が変わり、自分とういうものも変わる」とのお言葉には深く頷く。本間先生の仰る「自分」とは、大文字のSELFであって、小さなエゴの自分ではないということも素晴らしい。自+心=息。確かに! 2階席にいた為、クンバカについてご質問できなかったのが悔やまれる。
http://iki-iku.com/ondine/index.html

昨年末、県幹事長を引退した。
力量不足でやり尽くせなかったため、A先生にご迷惑をかけた上での退任であったと自覚している。貢献しきれなかった思いは残るが、DARC指導や行政における指導、法人化など得難い経験を積ませて頂いた。新しいことが無事軌道に乗ると、そこに改善点が見出され、必死にやったことにも至らぬ点が見つかるものだ。物事を洗練させていくのは根気がいること。今は幹事として補佐役の立ち位置にあるが、そろそろ自分の身辺を調え、関りの質を上げていかねばならない。

未熟な仕事ぶりに対し賞を頂くのは心苦しいが、師から直々に労われ正直嬉しかった。優れた療法士としてずっと目標にしてきた、のままりこ先生とご一緒に受賞させて頂けたのも感慨深い。

3年後、第20回の記念大会は私の住む米子市での開催が決まった。
何年も前から、こんな機会があれば招聘したいと願ってきた先生方がのお顔が浮かぶ。
実現のために力を尽くしたい。

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功労章なるものを頂く