”post-traumatic growth 外傷後成長” という概念があります。
PTGと略して表現されることもあります。
PTSDの対極にある状態です。
ストレスの中でも重度のものを、外傷性(トラウマ性)ストレスといいます。
そんな重度のストレスを乗り越えられた時「変容」が生じます。
この変容が起きると、からだの感覚を通じて、神経系や感情、知覚が根本から変化するのです。
わかりやすく言うと、
神経も、自分で調整できる力を取り戻します。
硬くなっていたものが解けて柔軟になり、
感情は落ち込むのではなく高まり、
身体にエネルギーを感じ、自信が持てるようになります。
さらに、
視野が広がり、何事も批判せず受け入れられるようになり、
責めるべきものは何もないことが分かるようになります。
そして、
自らを許し受け入れる心(自己受容感覚)を得て、
リラックスして人生を豊かに、情熱的に楽しめるようになるのです。
望ましくないことも起こりますが、それを克服できるだけのこの世界に対する信頼感というものが、変容によって自己の中に出来上がるのです。
正に「これでいいのだ」のこころですね。
そして、私が教室や講座で目指す、人間の成長した姿でもあります。
ストレスからの回復、成長を目指すには、
頭で考えているだけではなく、身体を通じたアプローチが有効です。
トラウマ研究の第一人者 ヴァン・デア・コーク博士が、2013年のヨーガ療法学会研究総会にお出で下さいましたが、「日本人はトラウマを克服する方法をたくさん持ってるのに、なぜ僕の話を聞きたがるの」という旨の発言をされたことが印象に残っています。
茶道、華道、剣道、柔道…
経験を糧にして進化する先人の智慧が、日本には多く伝わっているのですね。
辛い出来事が滋養となって、花開く。
私の座右の銘、「蓮は泥中より発し清らかな花を咲かす」の境地です。
挫折や苦しみを昇華させ自らの宝とする生き方を求め、
人にお伝えしていきたいと思います。